○賃借権の登記 する?しない?○

宮本裕文

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テーマ:賃貸借契約

登記の意味と権利


賃借権の登記は、する?しない?

●登記の意味

登記とは、国が作成する登記簿に不動産に関する事実やその内容を記録すること、または記録された内容自体のことをいいます。
登記の手続きについては、不動産登記法や、その他法令で定められています。

●登記される権利

不動産を対象とする権利でも、実はそのすべてが登記できるものではありません。
登記することが出来る権利は「土地・建物」についての「所有権」、「地上権」、「小作権」、「地役権」、「先取特権」、「質権」、「抵当権」、「賃借権」、「採石権」の9種類となります。

これに対して、占有権とか留置権などは、占有という事実に基づく権利となりますので、登記にて公示をする必要はなく、登記不要とされています。

また、入会権もその権利内容が慣習によって決まるので、登記による公示には適さないと考えられ、登記がなくても対抗力があるとされています。


●「賃借権」が登記されることは、現実的にはほとんどありません。

なぜ?

建物を建てる目的で、土地を借りたとします。この場合、土地の借主の賃借権を、第三者に主張するためには、その土地に対し 賃借権を登記する必要があります。
(この場合の賃借権は、借地権を意味します)

ただし、この登記をするには、貸主(地主)の協力が必要となるため、貸主にとっては不利となる賃借権の登記は現実的には、ほとんどなされてはいません。

そこで、第三者に賃借権を主張するために、建築した建物を借主の名義で登記します。

建物の所有権保存登記を借主の名義で登記することで、土地について賃借権が登記されていなくても、その賃借権を第三者に主張できるとされています。


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宮本裕文(宅地建物取引業者)

有限会社富商不動産販売

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