誇大広告等の禁止 宅地建物取引業法32条による規制。
滅失、毀損 その負担は?
●滅失と毀損
滅失→使用(住めない)できないほどの状態
毀損→修繕や補修をすれば使用(住める)できる状態
地震等による被害が建物の滅失までではなく、修復が可能な毀損の場合には、標準契約書の条項では、売主は物件を修復したうえで引き渡すことと明記されています。
当然、その費用は売主が負担することになります。
ただし、修復のために期間を必要とする結果、引き渡しが当初予定されていた期日を過ぎたとしても、それは売主の履行遅滞にはならないとされています。
また、修復の費用が過大などの事情があれば、修復をすることなく契約を解除することも可能です。
滅失の場合は、買主は契約を解除することができ、売主は、手付等の受領済みの金員を全額返還しなければなりません。
●その危険負担とは
危険負担とは、売買契約において、お互いの債権債務が発生した後に、売主に責任がない原因により引渡しが不可能になった場合に、買主の代金支払義務がどうなるのか?という問題です。
例えば、土地建物の売買契約が成立した後、巨大地震により建物が倒壊して、売主の引渡し義務を履行することが不可能になってしまった場合に、買主は、代金を支払わなければならないのかという問題です。
そして、この解決方法としては、債務者主義と債権者主義の両方が可能となります。
●債務者主義→相手方の債務も消滅させる方法の場合
売買契約の後、地震で建物が倒壊した場合、債務者主義によれば売主の引渡し債務が不能になったことにより相手方(買主)の代金支払い義務も消滅します。
つまり、債務者主義とは、不能によって消滅した債務の債務者(売主)に不能の結果(危険)を甘受(負担)させる処理方法となります。
●債権者主義→相手方の債務は消滅させない方法の場合
債権者主義によれば、買主の代金支払い義務は消滅しません。買主は建物が壊れてしまっても代金を支払わなければなりません。債権者主義は、不能によって消滅した債務の債権者(買主)に不能の結果(危険)を甘受(負担)させる処理方法となります。
●不動産売買契約における危険負担の処理方法は?
民法では、売買については原則として債権者主義をとっています。債権者主義の場合、地震で建物が倒壊してなくなってしまった場合でも、買主は代金を支払わなければなりません。
しかし、不動産取引においては引渡し前に売買物件が滅失した場合には、買主の代金支払い義務はなくなるとする扱い(債務者主義)の方が常識的であり一般的と考えられています。
従って、売買契約書の危険負担の条項には債務者主義を明示しています。
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