コラム
造作買取請求権 「強制規定」と「任意規定」
2018年3月8日 公開 / 2021年3月2日更新
造作物の買取!
●造作買取請求権
貸主の同意を得て建物に付加した畳や建具、その他造作物があるときは、借主は賃貸借契約が終了した場合に、貸主に対して「時価」でその造作物を買取るように請求することができます。
なお、この規定は、旧法においては「強制規定」とされ、造作買取請求をしない旨の特約は無効としていました。しかし、現在ではこの規定を「任意規定」とし、造作買取請求権を排除する旨の特約を有効としています。
その理由は、旧法において、例えば、借主がエアコンを取付けようとして貸主に承諾を求めても、将来これを買取りたくない貸主は承諾をしないことになり、借主には不利益が生じることになります。
そこで、現在では、造作買取請求権を排除することを認め、貸主の承諾を得られやすくしているわけです。
●「強制規定」とは
当事者が、法の規定と異なる権利や義務を取決めても、法の規定が優先し、当事者の取決めに効力を与えない規定を「強制規定」といいます。弱い立場にある借主保護を定めた借地借家法には「強制規定」が多いです。
●「任意規定」とは
賃貸借契約の一般的なルールは、民法に定められています。民法などで定められたルールのうち、当事者が法の規定と異なる権利や義務を定めた場合に、契約の定めが法に優先して適用される規定を、「任意規定」といいます。
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