借主の死亡。相続人がいる場合の賃借権の取扱は?
契約書と告知書
契約は口頭でも成立するとされていますが、一般的には契約書を作成し当事者が署名捺印します。
●契約書には次のような効用があると思います。
①権利と義務の明確化による取引の円滑化とトラブル防止
契約書によって売主、買主がそれぞれどのような権利を有し、義務を負っているのかが明確になるので、取引を円滑に進める指針になります。
そして、それによりトラブルを防止する効用が期待できます。
②証拠としての機能
万一、売主と買主との間でトラブルが発生しても、契約書があれば契約の内容を裁判上立証することが容易となります。契約書には裁判上の証拠としての機能もあります。
逆にいえば、口頭での約束があったと主張しても、契約書に記載されていなければ裁判所では認めてもらえないことが多いので、売主と買主との間で何か約束をしたのなら、誰にでもわかるように特約事項として契約書に明記しておく必要があります。
例えば、中古住宅の売買において、引渡しの日までに売主が庭木を撤去するという約束をしていたのであれば、そのことを特約に記載していないと、そのような合意があったとは認められずに、買主が売主に庭木の撤去請求を求めても認めてもらえないことがあります。
このように、当事者間の個々の約束事項については、具体的に特約として記載する必要があります。
●告知書、その考え方
宅地建物の過去の履歴や隠れた瑕疵など、取引物件の売主や所有者にしか分からない事項について、売主等の協力が得られるときは、売主等に「告知書」を提出してもらい、これを買主等に渡すことにより将来のトラブルの防止に役立てることが望ましいとされています。
例えば、売買であれば「告知書」の記載事項としては、
①土地関係
境界確定の事項、土壌汚染調査等の状況、土壌汚染等の瑕疵の存否又は可能性の有無、過去の所有者と利用状況、周辺の土地の過去及び現在の利用状況
②建物関係
新築時の設計図書等、増改築及び修繕の履歴、アスベストの使用の有無の調査の存否、耐震診断の有無、住宅性能評価等の状況、建物の瑕疵の存否、又は可能性の有無、過去の所有者と利用状況
③その他
従前の所有者から引継いだ資料、新築・増改築等に関わった建設業者等、不動産購入時に関わった不動産業者等
などが考えられ、売主等が知り得る範囲でこれらを記載してもらうこととなります。
●なお、売主等の告知書を買主等に渡す際には、当該告知書が売主等の責任の下に作成されたものであることを明らかにすることが重要です。
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