コラム
抵当権が付いている賃貸物件 借受ける時の注意点とは。
2016年8月20日 公開 / 2021年3月2日更新
抵当権と借主の地位。
所有権は、売買等に限らず、抵当権が実行され競売にて買受人
が決まった場合にも、買受人(新所有者)に移転します。
そして、抵当権が実行された場合の借主と新所有者との優劣は、
抵当権設定登記と賃借権の取得との前後によって決まります。
具体的には、
1.抵当権の設定前に、賃貸借契約を締結している場合には、
入居(物件の引渡し)により新所有者に対抗できる。
2.賃借権の取得前に、抵当権の設定をしている場合には、新
所有者に対抗できず、明け渡しを拒めない。
となります。
しかし、抵当権の実行によって建物の買受人が決まっても、直ちに
借主が明け渡しをしなければならないとすれば、借主には大きな
負担となります。
そこで現在では買受決定から6ヶ月間は明け渡しを猶予されるように
なりました。ただし、この制度では新所有者には借主に対しての敷金
返還義務はありません。
いずれにしても、抵当権実行後の明け渡しは借主にとって不利益なこ
とになります。
特に改装工事や設備等に費用がかかる店舗等の場合は、契約前の
抵当権、その他の権利関係の確認は重要です。
抵当権、その他権利の確認は、重要事項説明書の「建物登記簿に
記載された事項」に明示され、媒介業者には説明の義務があります。
しかし、ほとんどの賃貸物件に抵当権が設定されているのが現実です。
貸主と借主の信頼関係の破壊とは?
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