契約解除の意味。解除と解約?類似した制度とは。

宮本裕文

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テーマ:契約の意味と意義

契約の解除。


「契約の解除」と「契約の解約」、どのような違いがあるのか?

○ 契約解除の意味。
① 契約の解除(解除)
・契約が締結された後に、当事者の一方的な意思表示により、契約がはじめから
存在しなかったのと同じ状態に戻す効果を発生させることを「契約の解除」または
「解除」と言います。


○ 解除と類似する制度。
① 解約(告知)
・賃貸借契約や委任契約などのような継続的な契約関係を一方的に解消する
場合、これを解除と区別して「解約」とか「告知」と言います。この場合、その効果
は将来に向かって契約を終了させるだけで、解除のように•過去のある時点までさか
のぼらない点に特徴があります。

② 合意解除(解除契約)
・解除権の有無を問わず、当事者が現に存在する契約を解消して、契約がなか
ったことにしようとする合意を新たにすることを合意解除(解除契約)と言います。
契約自由の原則により自由にできますが、あくまでも当事者の合意によるもので
、解除のように一方的な意思表示とは異なります。

③ 解除条件
・一定の事実の発生により、法律行為の効力が当然に消滅するという条件を、
解除条件と言います。条件の一つであり、契約の解除とは異なります。

④ 取り消し
・能力的な問題や詐欺・強迫による意思表示などの場合に、その意思表示を
当初にさかのぼって無効にしようとする意思表示を取消しと言います。

このように民法では「契約の解除」や「それに類似する制度」の定めがあります。
しかし、実際の不動産取引において、「解除」と「解約」は、厳密に使い分けられ
ているわけではなく、売買のようないわゆる「一時的契約」においても、その契約
をなかったことにすることを単に、「解約」と言うことが多くあります。

手付金放棄による契約解除の拒否。


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宮本裕文(宅地建物取引業者)

有限会社富商不動産販売

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