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コラム
テナントの賃貸借契約は登記事項証明書の閲覧、調査は必須です。
2016年1月13日 公開 / 2021年3月2日更新
差押登記の調査。
特に、飲食店などの内外装に多額の費用の掛かる、テナントの賃貸借契約には
登記事項証明書にて「差押登記」等の調査は必須の作業となります。
○媒介業者が、テナント物件の差押登記調査を怠ったため、損害賠償を命じられる
ケースもあります。
例)
・飲食店を開業するために、媒介業者から店舗物件を紹介してもらい、賃貸借契約
を締結した借主のAさん、約380万円での内外装工事も完了して、開店準備は順調
に行われていました。
ところが、その店舗物件は、競売開始決定による差押登記が賃貸借契約締結前に
設定されていることが後日判明しました。
借主Aさんは、媒介業者に調査義務違反があったとして、損害の賠償を求めました。
しかし、媒介業者は、「当該物件の権利関係は貸主に聴取した。貸主から差押登記
の設定は聞いていない。知らなかったので責任は無い」と主張しています。
例)のように、契約店舗について「差押登記」が設定されているときは、当該賃借権が
競売により買受人に対抗することができなくなり、借主Aさんは店舗の明渡しをしなけれ
ばなりません。借主Aさんにとっては大きな損害となるわけです。
当然、媒介業者には貸主からの聴取はもとより、登記事項証明書を閲覧するなどして、
差押登記等の有無を確認し借主Aさんに不測の損害を被らせないように配慮する義務
があります。
○テナント等の賃貸借契約で注意すること。
・「当該物件の登記された権利」は賃貸借の媒介でも、重要事項の説明義務があります。
・媒介業者は、建物の登記調査および貸主が真の所有者か否かの確認が重要となります。
・建物に差押登記が設定された後に賃貸借契約を設定しても、借主は明渡を求められる
ことがあります。
最後に、権利関係や真の所有者が確認できない場合、契約を取止めるか、延期するなど
慎重な対応が必要となります。
多額の費用を投資するテナント契約などでは、媒介業者の調査責任は重大です。
抵当権と借主の地位。
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