前入居者が設置したエアコンと修理費用の負担。

宮本裕文

宮本裕文

テーマ:賃貸借契約

修理費の負担は貸主か借主か?

アパートに設置されているエアコンが故障しました。電気店に見に来てもらうと、
修理費として3万円かかるとのこと・・・。

貸主に連絡したところ、「そのエアコンは、前の入居者が設置したもので残置物
となり、貸主には修理義務が無い。」といわれました。・・・貸主に修理費の負担
義務はないのでしょうか?

前入居者の設置物に関しては、契約前に特約を結ぶことも多くあります。例えば、
「エアコンは前の入居者が設置したもので、使用は構わないが故障したときの修理
費や新設などは、新たな借主の負担。」などです。

修理費の借主負担特約がある場合でも、一般的には軽微な修理費、つまり少額
の負担だと理解されています。3万円の修理費は、軽微で少額とはいえません。
特約がある場合でも貸主の負担が妥当かと思われます。

また、貸主は前の入居者が設置したエアコンを残したままの退去を認ているの
で、このエアコンは前入居者から貸主に無償譲渡され、所有権も貸主に移転
したものと理解されます。

よって、エアコンは貸主のものとなり、借主に対して通常の使用ができる状態
にする義務が生じ、修理負担をするべきだと考えられます。


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宮本裕文
専門家

宮本裕文(宅地建物取引業者)

有限会社富商不動産販売

障がい者(心と体)に特化した賃貸住宅入居支援の専門店です。また、宅建士として37年の知見を基に不動産お役立ちコラムを発信しています。

宮本裕文プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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