大人ピアノ指導法:①「体験講座」基本の流れと時間配分
中高年ソルフェージュ指導で大切にしたいポイント
中高年ソルフェージュを行う際、「具体的に何をすればよいのか」と疑問に思われる方も多いのではないでしょうか。
そのような場面で、まずおすすめしたいのが**「真似っこリズム」**です。
真似っこリズムにはさまざまな展開方法があり、効果的な進め方については「中高年ソルフェージュ」の学びの中で詳しくお伝えしていきます。また、他にも活用できる方法はいろいろありますので、ぜひ今後学んでいただければと思います。
とはいえ、体験会などの場では、準備がほとんど不要で、すぐに実践できる真似っこリズムがとても有効です。特別な用意をしなくても、その場ですぐ取り入れられるのが大きな魅力です。
では、真似っこリズムとはどのようなものなのでしょうか。
これは、レベル1・レベル2・レベル3と段階を分けながら、講師のリズムを参加者に真似していただく方法です。
たとえば、
「タン タン タン、どうぞ」
と伝えると、参加者の皆さんも
「タン タン タン」
と声に出して真似します。
あるいは、
「タン タン タタ タン、どうぞ」
に対して、同じように繰り返していただく。
このように、まずは短くわかりやすいリズムから始めます。
レベル2になると、二小節程度の少し長めのリズムに進みます。
さらにレベル3では、テンポも上がり、より素早い反応が求められるリズムへと発展していきます。
この段階的な進め方によって、無理なく楽しく集中力や反応力を高めることができます。
もちろん、ここには実践上の細かなポイントもありますので、詳しくは実際の学びの場でお伝えしたいと思います。
そのうえで、指導の際に特に気をつけたいことがあります。
それは、無駄な言葉を極力減らすことです。
「では始めますよ」
「準備はいいですか」
「手をこうして叩いてくださいね」
といった説明を重ねすぎると、かえって集中が途切れてしまいます。
そうではなく、
「では、やってみましょう」
と言って、すぐに始める。
このテンポのよさがとても大切です。
中高年の方にとっても、説明を長く聞くより、実際に声を出して体験するほうが、ずっと理解しやすく、楽しく取り組めます。
さらに、この指導で求められる大切な特質は、主に二つあります。
一つ目は、参加型であることです。つまり、受け身ではなく、実際に声を出して一緒に取り組んでいただくことです。中高年ソルフェージュでは、「聞くだけ」ではなく、「自分で声を出す」ことに大きな意味があります。参加することで、楽しさも理解も深まっていきます。
二つ目は、エンターテインメント性です。「楽しい」と感じていただけることは、継続のためにも非常に重要です。そのためには、指導者の明るさ、そしてわかりやすい言葉で伝えることが欠かせません。中高年ソルフェージュは、ただリズムを学ぶ時間ではありません。声を出し、真似し、笑顔になりながら、自然に音楽の力を育んでいく時間です。だからこそ、参加型であること、そして楽しくわかりやすく進めることを、何より大切にしていただきたいと思います。


