はじめに/「世界共通の指番号」と「音名の秘密」
2026年7月7日、七夕の日に
愛媛県松山市の国指定重要文化財「萬翠荘」にて
「らくらくピアノ お達者フェスティバル2026」を開催しました。
テーマは、
「あなたの『今』が一番輝く舞台」です。
歴史と品格に満ちた萬翠荘に、童謡、クラシック、映画音楽、歌謡曲、ポピュラー音楽など、さまざまな楽曲が響きました。
出演された皆さまは、単に好きな曲を選ばれたのではありません。
幼い頃の記憶、ご家族との思い出、ご遺族さまへの感謝、人生の節目、そして新しいことへ挑戦する決意など、それぞれの物語を一音一音に込めて演奏してくださいました。
「お達者フェスティバル」の目的
「お達者フェスティバル」は、演奏技術の優劣だけを競うコンクールではありません。
大切にしているのは、舞台での数分間だけではなく、舞台に立つまでの歩みそのものです。
なかなか弾けない部分を何度も練習したこと。家事や仕事、介護、農作業などの合間に練習時間をつくったこと。体調と相談しながら、自分のペースで準備を重ねたこと・・。
「人前で弾くのは怖い」と感じながらも、勇気を出して出演を決めたこと。
そうした努力や挑戦を、講師、ご家族、教室の仲間、会場の皆さまとともに称え合うことが、このフェスティバルの大きな目的です。
演奏された曲と、そこに込められた想い
パンフレットに掲載された出演者の中から、数名の演奏曲と、その曲に込められた演奏者の想いをご紹介します。(個人名は控えておきます)
「たなばたさま」/作曲:下総皖一
「演奏者のコメント」より:約70年前の七夕の朝、お母さまが里芋の葉についた朝露を集め、その露で墨をすって願い事を書いてくださった記憶が残っているそうです。当時、お母さまは何を願っていたのだろうと思いながら、今はお孫さまたちの健やかな成長を願って演奏されました。
「アヴェ・マリア」/作曲:ブルグミュラー
「演奏者のコメント」より:約60年前に習った思い出の曲です。子育てや親御さまの介護を終え、70歳を過ぎてから再びピアノを弾ける喜びを感じておられます。ご家族やご姉妹の応援を受けて舞台に立てることへの感謝を込めて演奏されました。
「幻想交響曲」/作曲者:エクトル・ベルリオーズ
「演奏者のコメント」より:ピアノを始めたきっかけは、「物忘れの予防になれば」という思いだったそうです。最初はコードも分からず、楽譜を前に迷うことも多かったものの、講師の指導や教室の仲間との交流に支えられ、長く続けてこられました。曲に込められた物語やベルリオーズの情熱に感動し、その奥深さを自分なりに表現したいと挑戦されました。
「北の旅人」/作曲者:弦哲也
「演奏者のコメント」より:初めて聴いた時から、哀愁を帯びたイントロと歌声が心に残り、長年大切にしてこられた曲です。「らくらくピアノ」の楽譜に収録されたことをきっかけに演奏を決意されました。どこか懐かしく、レトロな趣のある萬翠荘の雰囲気にも合う曲として、楽しみに準備を重ねられました。
「ラ・カンパネラ」/作曲者:F・リスト
「演奏者のコメント」より:「らくらくピアノ」を始めて長い年月がたち、鍵盤シールを使った練習から、クラシックや歌謡曲まで幅広く楽しめるようになられました。「いつか弾いてみたい」と憧れながらも、難しいため無理だと思っていた曲です。しかし、楽譜が紹介されたことをきっかけに、思い切って挑戦されました。
「涙そうそう」/作曲者:BEGIN
「演奏者のコメント」より:かつては、ご自身がピアノを弾くようになるとは思っていなかったそうです。初めての教室で、一本指の伴奏によって曲を奏でられた時、「自分にもピアノが弾けた」と驚かれました。前回のフェスティバルの様子を見て参加を決め、初めての大きな舞台では、親しみやすく、ゆったりとしたテンポのこの曲を選ばれました。
「エトピリカ」/作曲者:葉加瀬太郎
「演奏者のコメント」より:ドキュメンタリー番組のエンディングテーマとして知られる曲です。美しい自然が広がっていくような繊細な旋律と、心を穏やかにするリズムに魅力を感じて選ばれました。冒頭の三連符など難しい部分もありますが、緊張した時ほど落ち着き、ゆったりと美しく演奏することを心がけられました。
「君を愛す(Ich liebe dich)」/作曲者:L.v.ベートーヴェン
「演奏者のコメント」より:萬翠荘での開催を楽しみにしながら、明るく希望にあふれた旋律に魅せられて選ばれました。仲間とともに舞台に立つことで、「皆さんも頑張っている」と励まされ、仲間意識も深まったそうです。歌うように弾くことと、呼吸を大切にしながら、ベートーヴェンのロマンチックな魅力を表現されました。
曲の背景には、幼い頃の記憶、ご家族への感謝、亡き方への思い、人生を前向きに歩む決意など、さまざまな物語があります。
大人の演奏には、技術だけでは測ることのできない深さがありますね。
正しい音を弾くことだけではなく、その音の向こうにある記憶や人生まで伝わってくることが、大人のピアノ演奏の大きな魅力です・・!
一人ひとりの輝きを称える「11の賞」
フェスティバルでは、演奏技術だけではなく、舞台に立つ勇気、笑顔、装い、個性、音楽への思い、最後まで演奏を続けた努力などを称えるため、11の賞をご用意しました。
・ お達者グランプリ
演奏、表現、舞台での存在感など、総合的な輝きを称える賞です。
・ お達者準グランプリ
素晴らしい挑戦と、心に残る演奏を称える賞です。
・ 心のメロディ賞
演奏に込められた思いが、聴く人の心に届いた方へ贈る賞です。
・ 人生の輝き賞
その方の人生や歩みが、演奏を通して輝いていたことを称える賞です。
・ ベスト・ドレッサー賞
舞台にふさわしい装いや、素敵な着こなしを称える賞です。
・ アクセサリーきらり賞
衣装を彩るアクセサリーや、細やかな工夫が印象的だった方へ贈る賞です。
・ スマイル・オブ・ステージ賞
笑顔と温かな雰囲気で、会場を明るくしてくださった方を称える賞です。
・ ど根性で弾き切ったで賞
緊張や困難があっても、最後まで諦めずに演奏された努力を称える賞です。
・ にこにこリズム賞
音楽を心から楽しむ姿や、明るいリズム感が印象的だった方へ贈る賞です。
・ エレガント・ステージ賞
美しい立ち居振る舞いや、品格ある舞台姿を称える賞です。
・ 音の旅人賞
演奏を通して、聴く人を豊かな音楽の世界へ導いてくださった方へ贈る賞です。
これらの賞には、「勇気を出して参加してくださり、ありがとうございます」「これからも音楽を楽しんでください」という思いが込められています。
もちろん、間違えずに弾けた方だけが称えられるのではありません。
途中で迷ったり、緊張で指が止まりそうになったりしても、もう一度音楽に戻り、最後まで自分の曲を届けようとした御姿には、大きな価値があると思っています。
仲間と支え合うことの大切さ
大人のピアノ教室には、年齢も仕事も家庭環境も異なる方々が集まります。誰かの演奏を聴いて、「素敵でしたね」と声をかける。
緊張している人に、「大丈夫ですよ」と笑顔を向ける。思うように弾けず落ち込んでいる人に、「私も同じでした・・」と寄り添う。
そのような温かな関わりが、次の挑戦へ向かう力になりますね。
何歳であっても、自分らしく舞台の主役になれる
「今さら始めても遅いのではないか」「人前で弾けるほど上手ではない」「若い頃のようには指が動かない」
そういった不安を打ち明けながらも・・
「好きな曲の最初の数小節が弾けた。」「教室へ行けば、笑顔で迎えてくれる仲間がいる。」「次の発表の機会に向けて、毎日少しずつ練習している。」
という嬉しい声が聞こえてきます。
「らくらくピアノ お達者フェスティバル2026」が、出演された皆さまにとって、ご自身の歩みを誇りに思える一日となっていましたら、これほど嬉しいことはありません。
上記の動画では、国指定重要文化財・萬翠荘という特別な空間で、出演者の皆さまがご自身の人生と思いを音に託された様子をご紹介しています。
宜しかったら、ご覧くださいね。
心より愛と感謝を込めて。
一般社団法人 全日本らくらくピアノ協会
創始者・代表理事 光畑 浩美
P.S 次回は、中之島公会堂にて開催予定です。
詳しくは、コチラをご覧くださいませ。


