大人ピアノ指導法:教室宣伝法:「公共と民間の違い」

光畑浩美

光畑浩美

テーマ:講師の養成/大人ピアノ指導法

体験レッスンにつなげるために大切な配慮とは




教室宣伝法も、いよいよ最後となりました。

今回は「Q6 体験レッスンにつなげるために、
どのようなことを配慮すべきでしょうか」と
いうテーマについてお伝えします。


この点でまず大切なのは、
活動の場がタイプAなのか、タイプBなのかを
しっかり見極めることです。

タイプAとは、営業活動が可能な場所のことです。

たとえば、
先生方の教室、楽器店、カルチャーセンターなどがこれにあたります。


一方、タイプBは、官公庁関連の場です。

たとえば、
各種サークル、シニア大学、市民講座などが該当します。


この区別をきちんと意識することが、体験レッスンへとつなげる第一歩になります。


タイプAでは「実績」よりも「信念」が伝わるプロフィールを




まず、
タイプAにおける講師プロフィールについてです。
お客様は、講師に対して「信頼」を求めています。
そのため、プロフィールには実績や信念を書くことが大切だとよく言われます。

ただ、ここでひとつお伝えしたいことがあります。

多くの先生方が、
「指導歴〇年」
「延べ〇〇人以上を指導」

といった実績を書かれます。もちろん、それ自体は素晴らしいことです。

けれども、
らくらくピアノの生徒さんにとっては、
そこが最も心を動かすポイントとは限りません。

むしろ反応が良いのは、
どのような思いで活動しているのかという
「信念」の部分です。

チラシにおいては、実績を細かく並べるよりも、

たとえば
一般社団法人全日本らくらくピアノ協会 〇級認定講師 〇〇〇〇
というように、肩書きをきちんと明記する方が効果的です。

なぜなら、それによって
「きちんと資格を持って活動している先生なのだ」
という安心感が伝わるからです。

個人としてだけでなく、
協会という法人の社会的信頼の中で講師を見ていただけるようになります。

この点は、タイプAでは特に大切な要素です。


チラシには情報を詰め込みすぎない


中には、「資格はたくさん書いたほうがよいのでは」と
思われる先生もいらっしゃいます。

たとえば、
・〇〇音楽大学卒業
・〇〇コンクール出場
・リトミック資格取得
などを書かれる場合もあります。

もちろん、それらも素晴らしいご経歴ですし、
他の場面では大いに活かしていただきたい内容です。


ただ、らくらくピアノのチラシにおいては、
一般社団法人全日本らくらくピアノ協会
明記するだけで十分に信頼が伝わることが多いのです。

もしスペースがあるなら、その分を「信念」を伝える文章に使うことをおすすめします。

たとえば、
「認知症予防にピアノが役立つことを知り、
多くの方に気軽に音楽を楽しんでいただきたいと思い、
この活動を続けています」

このように、活動の背景や願いをストーリーとして添えることで、
「この先生なら、私たちの気持ちをわかってくださるかもしれない」
という共感が生まれます。

そして、この“共感”こそが、体験レッスンへの一歩につながっていくのです。


プロフィールは「水戸黄門型」で書く



プロフィールの書き方には、ひとつわかりやすいコツがあります。

それは、私はよく**「水戸黄門型」**とお伝えしている書き方です。

水戸黄門は、ただ印籠が出て終わるだけでは面白くありません。
悪役がいて、困りごとがあって、それが解決され、最後に希望へ向かって進んでいく。

その流れがあるからこそ、人の心に残るのです。

プロフィールも同じです。
「賞を取りました」 「こんな活動をしています」
という実績の羅列だけでは、
「そうですか」で終わってしまうことがあります。

それよりも、
「多くの方が“ピアノは敷居が高いもの”と感じておられることを知りました」
「それは本当にもったいないことだと思いました」

「だからこそ、中高年専門のピアノ指導を学び、
気軽に楽しめる場を広げたいと考えて活動しています」

このように、
一般の方の困りごとを“悪役”として置き、
それに対して自分がどう向き合っているのかを書くと、
読み手の心に届きやすくなります。

少しストーリー仕立てにしたプロフィールは、非常に反応が良いものです。

ぜひ覚えておいてください。


タイプAの連絡先は、教室としての信頼感を明確に



続いて、タイプAにおける連絡先です。
タイプAでは、音楽教室名に加えて、
住所や電話番号を記載することが基本になります。

体験レッスンにつなげるためには、
「どこの、誰に、どう連絡すればよいのか」が
明確であることが大切だからです。

安心して問い合わせができる状態を整えておくことが、信頼につながります。


タイプBでは「一市民としての配慮」が絶対条件


一方で、タイプB、つまり官公庁エリアでの活動では、
まったく異なる配慮が必要です。

シニア大学、市民講座、各種公的なサークルなどで活動する場合は、
一市民として参加しているという立場を忘れてはいけません。

そのため、音楽教室名を記載しないことが重要です。

また、教室名だけでなく、
一般社団法人全日本らくらくピアノ協会
いった協会名も出してはいけません。

もしこうした表記をしてしまうと、
その場を営業目的で利用していると受け取られかねず、
結果として大きな問題になります。

場合によっては厳しい対応が必要になることもあり、

何より、
真面目に活動されている他の先生方にも
大きなご迷惑をおかけしてしまいます。

ですので、
タイプBでは必ずこの点を守っていただきたいと思います。


タイプBの連絡先は「名前と電話番号のみ」で十分


タイプBで記載する連絡先は、基本的に名前と電話番号のみです。

たとえば、シニア大学や市民講座などでは、
必要以上に肩書きを出すのではなく
自然な形で連絡先を添えるのが望ましいでしょう。

場合によっては、フルネームではなく、
苗字のみをやわらかく添える形でもよいかもしれません。

大切なのは、あくまで営業ではなく、一市民としての活動であること。

その前提を崩さないことです。
理由はシンプルです。
営業が禁止されているからです。

チラシづくりは、相手を思い描く力を育ててくれる


ここまで、教室宣伝法についてお話ししてまいりました。

本当はもっとたくさんお伝えしたいことがあります。
教室宣伝法はとても奥が深く、
実際にはケースバイケースで考える必要のあることも多くあります。

講師術C・Dでは、それぞれの先生の状況に合わせて、

より具体的に
「ここに気をつけるとよいですよ」「こう動くと進めやすいですよ」と
いったこともご案内しています。


ただ今回は、まず最低限必要なこととして、
チラシという“紙”の大切さについてお伝えしてきました。

日常生活の中で、案内のためにチラシを作る機会は、
そう多くないかもしれません。
特にピアノの先生方にとっては、
さまざまなデザインを考えながら、
自分でチラシを作る経験は少ないこともあるでしょう。

けれども、
たった一枚でも実際に作ってみると、多くのことが見えてきます。

子育て世代に向けるなら、どんなデザインがよいのか。
どんなキャッチフレーズが響くのか。

シニアの方を対象にするなら、どんな書体が見やすいのか。
老人会で体験会を開くなら、どういう言葉が安心につながるのか。

そうして
一枚一枚作っていくうちに、
相手の顔が自然と思い浮かぶようになります。

すると
キャッチフレーズの言い方も、ご案内の仕方も、
自分の中にさまざまな引き出しとして蓄えられていきます。


一枚の紙ですべてを済ませようとしない


ここで最後に、ぜひお伝えしたいことがあります。

一枚の紙ですべてを済ませようと思わないこと。

チラシは、相手にとってとても大切なものです。
いわば、お守りのようなものでもあり、
教室へ向かうためのパスポートのようなものでもあります。


その一枚を手にして、
期待や不安を抱えながら教室へ来てくださる方のお気持ちを思うと、
たった一枚の紙であっても決して軽く扱うことはできません。

だからこそ、
ひとつひとつ丁寧に、
心を込めて作っていただきたいのです。

皆さまの活動を、心から応援しております。

ありがとうございます。

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光畑浩美
専門家

光畑浩美(大人ピアノ指導の専門家)

一般社団法人全日本らくらくピアノ®協会  株式会社PREMUSE

大人のピアノ初心者向け。特許庁登録「らくらくピアノ®︎」で憧れの曲を楽しく実現。オンライン講座や認定講師養成講座を展開。著書累計17万部超、Amazonや全国書店で販売中。

光畑浩美プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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