大人ピアノ指導法:脳の活性化に繋げる音楽指導法
体験講座で生徒さんに実感していただきたい、大切なこと
体験講座で、生徒さんに何を実感していただくことが大切なのでしょうか。
これはとても重要なことですので、ぜひ心に留めておいていただきたいと思います。
ピアノの先生方は、子どもの生徒さんへの接し方にはとても慣れていらっしゃいます。
「楽しかったね」「上手に弾けてよかったね」といった声かけをしながら、体験レッスンでも楽しく学べる時間を提供されていることでしょう。
けれども、大人の生徒さんの場合は、求めておられるものが少し異なります。
だからこそ、これからお伝えする要素を、体験講座の中でしっかり感じていただくことが大切になります。
まず何より、生徒さんに「この先生は自分を大切にしてくれる」と実感していただくことです。
大人の生徒さんは、単に技術を学びたいだけではなく、長く安心して通える関係を求めておられます。
これは子どもの生徒さんとは大きく異なる点です。
大人のレッスンは、技術だけのやりとりではありません。
人と人との関わりが、何より大切になります。
「この先生なら、これから先もずっと見守ってくださる」
「末永くお付き合いできそうだ」
そう感じていただけるかどうかを、生徒さんは体験講座の中でしっかり見ておられるのです。
ですから、こちらからも「これから末永くよろしくお願いいたします」という気持ちを込めて接することが、とても大切です。
その一言、その姿勢が、生徒さんの安心につながります。
次に大切なのは、「居心地のよさ」です。
これは先生との相性だけではなく、教室全体の空気や空間も含まれます。
体験講座に来られたときに、「ここは居心地がいい」と感じていただけることが大切です。
たとえ先生の印象がよくても、同じ場にいるほかのメンバーの雰囲気によっては、不安を感じてしまうこともあります。
ですから、生徒さんだけでなく、その場の全体の空気にも配慮することが必要です。
そしてもう一つは、「これなら自分にもできそう」と実感していただくことです。
体験講座を通して、「難しそう」ではなく、「これなら私にもできるかもしれない」と思っていただけたとき、生徒さんは次の一歩を踏み出しやすくなります。
さらに大切なのは、「また来たい」と思える瞬間があることです。
この気持ちは、次につながる大きな鍵になります。
私はよく、旅館の女将さんのたとえをお話しします。
お迎えするときに、笑顔でお迎えするのはもちろん大切です。
けれども、それ以上に大切なのは、お帰りのときです。
姿が見えなくなるまで「ありがとうございました」「またお待ちしています」という気持ちでお見送りする。
まるで旅館の女将さんが、最後まで手を振って見送るように。
そのような心でお送りすることが、体験講座の締めくくりとしてとても大切なのです。
体験講座とは、ただレッスンを体験していただく時間ではありません。
「この先生なら安心できる」
「この場所なら心地よく通えそう」
「これなら自分にもできそう」
「また来たい」
そうした思いを、生徒さんの心に残していただく時間です。
その一つひとつを大切に積み重ねることが、これからのご縁につながっていくのだと思います。


