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大人ピアノ指導法:信頼をもたらす「看板・コース設定」

光畑浩美

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テーマ:講師の養成/大人ピアノ指導法

「らくらくピアノ」という看板を掲げることの大きなメリット

「らくらくピアノ」という看板でコース設定をすることは、たとえば「○○音楽教室」という一般的な教室名に比べて、どのようなメリットがあるのでしょうか。

大きく分けると、三つあります。
それは、明確なターゲティング、親しみやすさ、そして他地域との交流です。

まず一つ目は、明確なターゲティングができることです。

「らくらくピアノ」と掲げている時点で、この教室がどのような雰囲気の場なのかが、とても伝わりやすくなります。
つまり、「厳しくしっかり鍛えてほしい」「本格的にびしびし習いたい」という方ではなく、「気軽に楽しみたい」「無理なく音楽に親しみたい」という方に自然と届くのです。

これは、教室運営において非常に大きな意味があります。
最初から教室の方向性が名前に表れているため、来られる方とのミスマッチが起こりにくくなります。
一方で、「○○音楽教室」という名前ですと、何を大切にしている教室なのかが少し伝わりにくく、受け取る側によってイメージがばらばらになりやすい面があります。

二つ目は、親しみやすさです。

「らくらく」という言葉には、安心感があります。
難しそう、厳しそう、ついていけるかしら、という不安をやわらげて、「ここなら私でも始められそう」と思っていただきやすくなります。

特に中高年の方が新しいことを始めるときには、「できるかどうか」以上に、「気後れせずに入っていけるかどうか」がとても大切です。
その点、「らくらくピアノ」という名称そのものが、教室の入り口をやさしくしてくれるのです。

そして三つ目が、他地域との交流につながることです。
これは、実はとても大きなメリットです。

たとえば、A地域のらくらくピアノ教室と、B地域のらくらくピアノ教室があるとします。
A地域では、教室の最高年齢が75歳だったとします。
一方、B地域では、80歳を超えてなお楽しまれている方がいらっしゃるとします。

A地域だけを見ていると、「私が一番年上だし、そろそろ退いたほうがいいのではないか」「いつまでも続けていたら、皆さんの足を引っ張ってしまうのではないか」と不安になる方もいらっしゃいます。
年齢を重ねるにつれて、以前はできていたことが思うようにいかない場面も出てきますから、「そろそろ私は…」という思いがよぎるのも無理のないことです。

けれども、会報誌やフェスティバル、各種イベントなどを通して、「別の地域では、もっと人生の先輩が生き生きと続けておられる」ということを知ると、その方の気持ちは大きく変わります。

「自分の教室にはいなくても、あちらには先輩がいらっしゃる」
「それなら、私もまだまだ頑張れる」

そう思えることが、継続する力につながっていくのです。

このように、「らくらくピアノ」という共通の看板があるからこそ、ひとつの教室の枠を超えて、地域と地域がつながり、人と人とが励まし合える関係が生まれます。
これは、単なる教室名では得がたい、大きな価値だと思っています。

「らくらくピアノ」という名称には、単にやさしそうという印象だけではなく、
どんな方に来ていただきたいのかを明確にし、安心して参加できる空気をつくり、さらに地域を超えたつながりまで生み出す力があります。

だからこそ、看板やコース名は、ただの名前ではないのです。
そこには、教室の理念や方向性、そして通ってくださる皆さまの未来までが込められているのだと、私は感じています。

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光畑浩美
専門家

光畑浩美(音楽教育家)

一般社団法人全日本らくらくピアノ®協会  株式会社PREMUSE

大人のピアノ初心者も、名曲がたった7分で弾けるという独自メソッド「らくらくピアノⓇ」を考案。各地での講座、オンライン講座、講師養成、動画グレード認定、楽譜出版など、国内外問わず活動を展開している。

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