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公共施設の受付に求められる接遇とは?―接遇マナー研修受講者アンケートから見えた「気づき」と「行動」―

長澤さおり

長澤さおり

テーマ:ホスピタリティ 接遇力向上 接客に携わる

公共施設の受付に求められる接遇とは?―接遇マナー研修受講者アンケートから見えた「気づき」と「行動」―


ホスピタリティ&マナー・ラボ 代表
ホスピタリティコンサルタントの長澤さおりでございます。

先日、自治体から受託した公共施設の受付・案内業務などを担う企業様にて、
施設の受付業務に携わる皆様を対象とした「ホスピタリティ接遇マナー研修」
を実施いたしました。

こちらの企業様から研修をご依頼いただくのは、昨年度に続いて今回が2回目です。
昨年度は警備業務に携わる方と施設運営の受付業務を担当される方を対象に、
今回は自治体庁舎や公共施設等の受付業務を担当される皆様にご参加いただきました。

ご依頼いただいた企業様の公式ホームページには、
「ホスピタリティを届けます」という言葉が掲げられています。

自治体庁舎や公共施設の総合案内・受付など、利用者様と直接向き合う仕事は、
まさに「人」を通してホスピタリティを届ける仕事でもあります。

今回は、研修後にご協力いただいた受講者11名様のアンケート結果も交えながら、
公共施設の受付に求められる接遇と、
研修での「気づき」を実際の「行動」へつなげることについて考えてみたいと思います。

公共施設の受付は、利用者様を最初に迎える場所

公共施設には、日々さまざまな方が訪れます。

初めて施設を利用される方。
行き先や手続きが分からず困っている方。
急いでいる方。
ご高齢の方。
不安や不満を抱えている方もいらっしゃるでしょう。

受付で交わす時間は、ほんの数分、場合によっては数十秒かもしれません。
それでも、最初に接するスタッフの表情や挨拶、声のかけ方、言葉遣い、立ち居振る舞いによって、
利用者様が受け取る印象は変わります。

受付での一人ひとりの応対は、その施設の印象にもつながります。

だからこそ、決められたご案内を正確に行うだけではなく、

「何かお困りではないだろうか」
「こちらから声をかけた方がよいのではないか」
「どのようにお伝えすれば、この方に分かりやすいだろうか」
と、相手の様子を見ながら、自ら考えて働きかける姿勢が大切です。

私はホスピタリティを、
「相手の心をプラスにするために、自ら考え、自発的に働きかける姿勢や行動」
とお伝えしています。
(「愛」の反対は?― 二つの視点から考える、ホスピタリティの原点 ― )

受付業務は、日々の小さな応対を通して、
目の前の利用者様へホスピタリティを届けられる仕事でもあるのです。

「知っている」を「できる」へ―実践を重視した接遇研修

今回の研修では、まず「ホスピタリティとは何か」、
そしてホスピタリティとサービスの違いについて考えたうえで、
接遇の基本となる「接遇5原則」を軸に、
・好感を与える表情
・心を伝える挨拶
・信頼感を生む身だしなみ
・安心感を伝える立ち居振る舞い
・社会人にふさわしい言葉遣い

について、ご自身の日頃の応対を振り返っていただきました。

そして今回、大切にしたのが、
知識として「知る」だけではなく、実際に身体を動かし「やってみる」ことです。

表情では、相手にどのように見えているかを意識しながらスマイルトレーニングを実践。

挨拶では、表情・声・姿勢を意識しながら、実際に挨拶やお辞儀を行っていただきました。

立ち居振る舞いについても、普段何げなく行っている所作を振り返り、
指し示し方や書類の渡し方などを一つひとつ実践しながら確認しました。

一本のボールペンにも、ホスピタリティは表れる

その中の一つが、「ボールペンを貸してください」と言われたときの渡し方です。

ボールペンを人に渡す。
日常では、ほとんど意識することなく行っている動作ではないでしょうか。

研修では実際にボールペンを使い、
どのように差し出せば相手が受け取りやすいのか、
心地よく受け取っていただけるのかを考えながら、渡し方を実践していただきました。

すると、「おお」「そうか」と、改めて気づかれたような反応も見られました。

大切なのは、単に「正しい渡し方」という型を覚えることだけではありません。
無意識に渡すのではなく、
「相手が受け取りやすいだろうか」
「心地よく受け取っていただくにはどうすればよいだろうか」と、
相手の立場から自分の所作を考えること。


そこにホスピタリティがあります。

実際、研修後のアンケートには、
「ボールペンの渡し方はすぐ実践したいです。」

というお声がありました。

何げない日常の所作だからこそ、一度気づけば、その日から変えることができます。

研修ではこのほかにも、
表情、挨拶、お辞儀、立ち居振る舞い、言葉遣い、コミュニケーションなど、各項目で実践やワーク、意見交換を取り入れました。

「聞いて分かる」だけではなく、「やってみて気づく」。

その気づきを、現場での行動につなげることを大切にしています。

受講者11名様のアンケートから見えた研修での「気づき」

研修後には、受講者11名様にアンケートへご協力いただきました。

「今回の研修は、今後の業務に役立つ内容でしたか」という質問に対しては、
「大変役立つ」10名(90.9%)
「役立つ」1名(9.1%)

となり、11名様全員が「役立つ」と回答されました。

また、「研修を通して、これまでの接遇・応対を振り返り、新たな気づきはありましたか」という質問では、
「大いにあった」6名(54.5%)
「あった」4名(36.4%)
「少しあった」1名(9.1%)

となり、こちらも11名様全員が何らかの「新たな気づきがあった」と回答されています。

接遇やホスピタリティをお伝えする講師として、大変うれしく受け止めております。

最も多く印象に残ったのは「ホスピタリティの考え方」

「特に印象に残った内容」について複数回答で尋ねたところ、最も多かったのは、
「ホスピタリティの考え方」8名(72.7%)でした。

続いて、
「好感を与える表情」6名(54.5%)
「相手を尊重したコミュニケーション」6名(54.5%)
「社会人にふさわしい言葉遣い」5名(45.5%)

となっています。

表情や言葉遣いといった「接遇スキル」だけではなく、
その土台となる「ホスピタリティの考え方」が最も多く印象に残ったことを、
私は大切に受け止めています。

なぜ笑顔で接するのか。
なぜ相手を尊重した言葉を選ぶのか。
なぜ立ち居振る舞いにまで心を配るのか。
その根底にあるのは、目の前の相手を大切にし、相手の心をプラスにしたいという思いです。

何をするか」だけではなく、「何のためにするのか」。

その意味を理解することが、自ら考えて行動する接遇につながると考えています。

受講者様の声から見えた「明日から変えてみよう」

アンケートの自由記述にも、
研修での気づきをご自身の仕事に置き換えて考えてくださった様子が表れていました。

例えば、
「普段、何げなく使ってる言葉を改めて考えさせられました。意識して仕事に反映していきたいと思います」
というお声がありました。

また、
「相手の気持ちをプラスにする事」
という記述もありました。

接遇研修では、新しい知識を得ることだけが目的ではありません。

これまで当たり前に行ってきた自分自身の表情、挨拶、言葉遣い、立ち居振る舞いを振り返り、
「私は相手からどのように見えているだろう」
「もっと安心していただくために、何を変えられるだろう」
と、自分自身の行動に目を向けることにも大きな意味があります。

今回のアンケートからも、
研修を受ける
→ 気づく
→ 自分自身を振り返る
→ 明日からの行動を考える

という流れが見られ、研修で得た「気づき」が明日からの具体的な行動へとつながっていることを、大変うれしく思いました。

一人ひとりの学びの継続が、組織の文化をつくる

今回、昨年度に続いて2回目の研修をご依頼いただきました。

昨年度と今回では研修の対象となる方々は異なりますが、
組織として継続して接遇やホスピタリティを学ぶ機会を設けることには、
大きな意味があると考えています。

接遇は、一度研修を受講すれば、それですべてが身につくものではありません。
学ぶ。
振り返る。
実践する。
そして、また振り返る。


その積み重ねによって、研修で学んだことが少しずつ日常の行動へと変わっていきます。

大切なのは、研修を「受けて終わり」にせず、現場で実践し、振り返り、必要に応じて再び学ぶことです。

その繰り返しが、接遇を「知識」から「行動」へ、さらに「習慣」へとつなげていくのではないでしょうか。

そして、一人ひとりの学びが行動へとつながり、それが習慣となって組織の中に積み重なっていくことで、
やがて、その組織らしい企業風土や企業文化をつくることにもつながっていくと考えています。

だからこそ、働く一人ひとりが学び続けること、そして組織として、その学びや成長を支える姿勢を持ち続けることが大切なのではないでしょうか。

公共施設・自治体の受付接遇研修も、現場に合わせて

公共施設の受付と一口に言っても、
自治体庁舎の総合案内、各種公共施設の受付・案内など、
現場によって利用される方も、求められる役割も異なります。

だからこそ接遇研修も一律の内容ではなく、
実際の業務や利用者様の特徴、現場で抱えている課題に合わせて組み立てることが大切です。

ホスピタリティ&マナー・ラボでは、企業・医療機関・自治体・公共施設・サービス業など、
それぞれの現場に合わせた接遇マナー研修を行っております。

研修実施前には丁寧にヒアリングを行い、
対象となる方々の業務内容や現場で抱えている課題、
ご要望などをお伺いしたうえで、研修内容をカスタマイズしています。


受付・窓口・インフォメーションなど、利用者様と直接接する方々への研修はもちろん、
コミュニケーション、電話応対、クレーム応対、カスタマーハラスメント対策など、
現場の課題に応じて内容を組み合わせることも可能です。

そして、講義を聞くだけではなく、
実践・ワーク・意見交換を取り入れ、「分かった」を「できる」へつなげる研修を大切にしています。

今回の研修で生まれた一つひとつの気づきが、
受講者の皆様の日々の受付応対に生かされ、
公共施設を訪れる多くの利用者様の安心や信頼につながっていくことを願っております。

研修内容や実績につきましては、ホームページでもご紹介しております。
よろしければぜひご覧ください。
【太字】ホスピタリティ&マナー・ラボ 公式ホームページ【/太字]
https://www.hospitality-m-l.com/

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専門家

長澤さおり(マナーコンサルティング)

ホスピタリティ&マナー・ラボ

元ANA客室乗務員の経験を生かし、接遇・ビジネスマナー・コミュニケーションなど幅広い研修を実施。ホスピタリティを軸に人財を育成し、顧客・患者様満足度の向上と、相互に尊重し合える組織づくりを支援します。

長澤さおりプロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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