シニア世代孫育てセミナー 「赤ちゃんの発達」から学ぶ「おとなの姿勢」
備前市立香登小学校 学校保健委員会
「 正しい姿勢で集中力を高めよう! ~よい姿勢は生きる力~ 」
この度の学校保健委員会は保護者向けの講演で、子どもの姿勢についてのお話が
主な内容です。
子どもの姿勢が悪いけれど、声をかけるだけでは直らない、どうしたらいいのかわからない、
など家庭での取り組みはなされたいるけれど解決できていないようです。
養護教諭による姿勢についてのアンケートでは、「子どもの姿勢に違和感がある」と
答えた家庭は70%で、食事の時の姿勢が目に付くようです。
しかし、学校では教諭全員、つまり100%が「子どもの姿勢に違和感がある」と
答えています。
この差は何を物語っているのか、保護者に考えていただきたいところです。
姿勢を直すための取り組みについては、家庭では54%、学校では87%です。
問題があると感じるからこそ、学校ではほとんどの先生が取り組みをされています。
家庭では問題がないと感じていれば、取り組みも少なくなりますが、
問題があっても対処していないという例も含まれているかもしれません。
子どもの姿勢の悪さに対する大人の関心度によって、家庭や学校での取り組み方や意識は
異なるでしょう。
また、姿勢改善のコンディショニングの実践の有無によって、
姿勢の変化や集中力の向上など、子どもの変化にも差が出てきます。
講演は動いていただいた方が分かりやすいということで、体育館で行うことになりました。
当初は保護者を対象にということでしたが、児童にもぜひ話を聞かせたいという
養護教諭からの要望があり、1~3年生も同席しました。
開始時間の前には担任の先生が児童をきれいに整列させ、座ったまま始まりの挨拶を
待っていました。
静かに待つということを普段から指導されているようで、おしゃべりをする児童はいません。
しかし、からだは別の反応をしており、体育座りのまま前後に揺れたり、ゴソゴソしたり。
頭だけを見ているとすごく揺れているのです。
姿勢のアンケートで先生の回答の中に多くあったのが「姿勢の保持ができない」こと。
教室で椅子に座った姿勢だけでなく、じっとしていることができない状況があるようです。
お話の最中は、児童たちはしっかりと正面を向き、集中して聞いていました。
時折質問を投げかけると、力強く挙手をして、答えようという意欲を感じました。
後半には姿勢づくりのコンディショニングを親子で行いましたが、子どもの変化には
校長先生も驚かれたようです。
体育座りは背すじがスッと伸びました。
「軽い~」とあちこちから声が上がりました。
コンディショニング前後のかけっこも、その変化は誰が見ても明らかでした。
まず、走り方が大きく変化しました。
始めは膝が曲がって、歩幅が狭く、ちょこちょこ走る感じ。
後からは膝が伸び、その分歩幅が広がり、スピードも速くなっていました。
校長先生は、
「あんなにいい表情で走るのを今までに見たことがない」
と驚かれていました。
子ども達はかけっこが大好きで、「よーい、ドン!」という前に飛び出す子が続出。
だからコンディショニング前にも楽しそうに走っていたはずです。
姿勢が良くなり、動きが軽くなると、楽しさが増し、無意識に表情にも表れるようです。
子どもが持っている無限の可能性を、姿勢づくりによって引き出すことができます。
そのためには現状を知り、意識を変える必要があります。
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