姿勢がもたらすあきらめ感
先日、コアコンディショニングセミナーを開催しました。
これは(財)日本コアコンディショニング協会の認定セミナーで、
『コアコンディショニングメソッド』を学べる様々なセミナーのうちの
ひとつ、ベーシックセブンセミナーです。
十年以上前から「コア」という言葉はメジャーになってきました。
当初は「コアを鍛える」とか「コアを強化する」というイメージでした。
そのために行なっていたのは、腹筋のエクササイズや
コアをガッチリと固めたいろんな動きのトレーニングでした。
いまだに「コアを鍛える」という使われ方をしますが、
コアは「調える」ことができてから「鍛える」ことができるのです。
つまり、コアトレーニングやコアストレングスの前に、
コアコンディショニングが必要なのです。
今回のセミナーは『コアコンディショニングメソッド』の入り口で
姿勢を調える最初の段階の内容でした。
参加された方々の職業は、病院に勤務されて治療にあたる理学療法士さん、
作業療法士さん、これから医療資格を取得される方などでした。
整形外科的疾患、中枢神経疾患などの患者さんのリハビリにあたる方々が
「コア」の重要性に着目されて数年経ちます。
かつては腰が痛くて病院に行けば、「腹筋・背筋を鍛えなさい」といわれ、
仰向けでおへそをのぞいて腹筋を使ったり、うつ伏せで手や足を持ち上げて
背筋を使う体操を勧められていました。
しかし、この体操の前に『コアコンディショニング』がとても有効であると
感じている医療従事者の方々が増えてきています。
病院に行ったのは肩や腰、膝などの痛みや炎症がきっかけでも、
原因がその部位ではないことが多々あります。
例えば、腰が痛い。
腰部のレントゲンを撮っても「骨に異常はありません」といわれ、
リハビリの必要もないということで終わるケースもあります。
でも、痛みは残ったまま。
治療するほどではない。
どうしたらいいんだろう???
このようなケースは非常に多いです。
現実に私のところに来られる方は、このような方がほとんどです。
治療の必要がないといわれるけど、どうしたらいいかわからない。
このような方のほとんどは『コアコンディショニング』を段階を踏んで
進めていくことでかなりの変化が出てきます。
半年に一度はぎっくり腰を患っていた方が、数年経つと全くぎっくり腰に
ならなくなった。
こういう例は今までにたくさんあります。
「腰が悪い」といわれますが、もともと腰が悪いのではなく、
腰を悪くする使い方をしているのです。
腰を悪くする使い方をしている方は、「コア」を上手く使っていません。
「コア」が上手く使われないことで、肩こり、肩の痛み、膝の痛みなど、
慢性的な痛みを抱えたままで生活をされます。
何かのきっかけで、痛みが増したり、動かなくなって初めて病院を訪れます。
それはきっかけであって、そこに至るまでに何年も「悪くする」使い方を
しているのです。
「コア」を使わずに・・
このような話をセミナーを受けていただく理学療法士さんや
作業療法士さんにすると、非常に共感していただけます。
つまり、その痛みや炎症などは起こるべくして起こっていると。
できれば、ひどくならないうちに気づき、何をすればいいかを知り、
それを実践する。
誰かにしてもらうのではなく、自分でできることは自分でする。
「コアを鍛える」のではなく、「コアを調える」ことを。