農業と知的財産(3)
先日のWebニュースに、特許庁は、商標制度に関する今月の22日に開いた有識者会議で、「氏名」を含む商標の登録を認めやくし、早ければ来年の通常国会に改正案の提出を目指すとの記事がありました。
確かに、デザインなどの場合、デザイナー自身の感性に基づくデザインがヒットし、ブランドとしてデザイナー個人の「氏名」が有名になることも多いと思います。
このように、「時代の大転換」によりとは言えませんが、「時代の進展」によりブランドも変化、具体的には、徐々に局地化しているように思います。
例えば、農産物が良い例です。時期は正確ではありませんが、昭和の時代では「農協」のマークが付いていれば、品質等に安心できるとして、「農協」のブランドが大きく浸透していました。
この後、平成の時代に入り、地域ブランドが浸透してきました。「信州蕎麦」,「市田柿」等のように、「地域名」+「商品名」がブランド化され、この結果、産地偽装に関するニュースなども目にするようになりました。
今は、インターネットの普及により個々の農家が独自のブランドをつくったり、スーパーの売場や農産物直売所では、「○○○○さんちの新鮮野菜」等のように、個人の「氏名」がブランド化されるようになってきました。
この変化は、いわば、過去の大きなブロック(農協)が徐々に分子化し、新しいシステム(インターネット)で再結合しているように見えます。
このような変化は、時代のトレンドを受けた変化であり、他の様々な分野でも同様の事象が現れています。そして、この変化は、これからも続き、今後の変化を示すキーワードになるかもしれません。
話は逸れますが、現在の国際情勢を見ると、ロシアや中国の専制主義と西側の民主主義が対立し、民主主義の危機とも言われています。しかし、個人的には、上で述べた時代の流れから見れば、イデオロギーの対立の問題というよりも、民主主義の方が時代に沿った考え方ではと感じています。
一方、国内情勢を見ても、日本も大きなブロックとして、自民党やトヨタ等の大企業が存在します。地球環境問題やEV(BEV)化の流れなど、世界情勢は急速に変化しています。日本は時代の流れに沿っているだろうか、個人的にも心配になります。