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「自然」と「人間」

下田茂

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テーマ:一息

 知財から一旦離れて一息つきたいと思います。最近、「人間」の行為による様々な問題が表面化していると感じています。
 「自然」、つまり「自然の原理」から「人間」が離れ、本来のあるべき姿が忘れられているのが根本的な原因と思っています。
 「人間も自然の一部」。誰でも言葉では分かっています。しかし、この当たり前のことを常に意識して生きている人はほとんどいないと思います。人間である以上、私も同じであり、それが人間の本質かもしれません。
 一方、「自然の原理」の本質は「バランス」にあり、人間が自然の「バランス」を崩せば、当然、そのバランスを本来の姿に修正する作用を自然から受けることになります。生態の治癒作用と同じです。もちろん、自然の本来の「バランス」と人間が考える「バランス」は必ずしも同じではありません。
 今、旧統一教会が問題になっています。旧統一教会の教義は、確か、この「自然のバランス」を問うているものとの記憶があります。
 「+」と「-」の関係のように、自然界のものは本来「対」の関係により成立、例えば、石ころ一つであっても、そこに「存在」している以上、「目的(なんらかの意志)」があって存在し、「存在」と「目的」が「対」の関係(バランス)にあるとの教義と理解しています(間違っているかもしれません)。
 結局、教義は間違いなくても、一部の人達により自分たちの利益のために勝手に利用されれば、本来のバランスが崩れてしまいます。
 ロシアによるウクライナへの軍事侵攻も同じです。
 そもそも人間は、誰であっても、地球上に生まれ、与えられた寿命の下に生かされた後、死んで行きます。立場による例外などありません。地球の誕生から誰かが地球を所有しているわけでもありません。あえて所有者が誰かと言えば「自然」に他なりません。
 現在は、世界中が一体になって力を合わせ、壊れかけた自然を少しでも再生しなければいけないときにも拘わらず、自分勝手な理由付けにより環境を破壊する行為は、どのような理由を持ってきても全く正当化できません。特定の人間や国家が自分たちの所有物のように奪う行為(侵攻)は、自然に対する明かな背信行為であり、人間のエゴ以外のなにものでもありません。
 時代トレンドで起きている現在の大転換現象は、人間が崩した自然のバランス、つまり、「人間」による様々な自然の歪みを修正する現象であり、隠れていた歪みが表面化したにすぎません。
 以前より、このコラムでも話題にしている「時代の大変換期」に伴う「自然」,「政治」.「社会」,「経済」などの大変動は、始まったばかりであり、この大変動は今後10年程度は続くものと個人的には考えています。
 あまり悲観的には考えたくありませんが、避けられない自然の摂理であり、これを乗り越えられるのも人間自身の「思考(知財(^_^;)」の力にあります。「自然のバランス」を常に念頭におきながらこの大変動を進んで行きたい思っています。

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専門家

下田茂(弁理士)

みらい国際特許事務所 長野オフィス

個人から企業及び大学発明まで幅広く対応し、高い特許登録率を維持しています。持前の知財センスに基づき、特許権や商標権の取得はもちろんのこと、依頼者に満足して頂けることを第一に、広く深くアドバイスします。

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