時代の「大変換期」を如何に乗りきるか<7>
ロシア(プーチン大統領)によるウクライナへの軍事侵攻から早くも一ケ月が過ぎました。
今回の構図を見ると、ロシアによるウクライナへの一方的な進攻になりますが、西側諸国は、直接的な行動を避け、軍備、それも相当な数量の軍備をウクライナへ提供し続けています。
したがって、表面的には、ロシア対ウクライナの構図ですが、実質的にはロシア対西側諸国の対立であり、第三次世界大戦といっても過言ではないと思います。その意味では、日本も戦争の当事国です。
ほんの数カ月前までは、地球の気候変動に対処するため、世界はCOP26により、温室効果ガス削減のための相応の目標を立てていました。
今は、世界が一丸となって地球環境問題などに対処しなければならないにも拘わらず、戦争による大規模破壊が行われている現実は、人としての思考力や想像力を欠いた蛮行と言わざるを得ません。
あちこちで煙が上がっているマリウポリの映像を見ると、この世の終わりかと思うほどの衝撃を受けます。
ロシアの力による行動は、イソップ童話における「北風と太陽」の「北風」に他なりません。このような行動は、何の解決ももたらさないのみならず、より反対方向へ進んでしまうことは既に同童話が教えています。
今この時も、困難な事態に直面しているウクライナの人々の気持ちを考えると、自分が普通に仕事をし普通に生活をしていることが申し分けない気持ちになります。
事あるごとに話題にしていますが、今は、80-100年周期で発生する時代の大転換期に遭遇し、この踊り場を抜けたときは、今とは大きく異なる世界システム(新しい時代)が出現する可能性があると思っています。
新しい時代が、人間にとって良い時代かそうでない時代かは判りませんが、今のような流れを前提に考えると、大変動の波は、むしろ、これから本格化するのではと見ています。
したがって、今の踊り場は、新しい時代が生まれる前の生みの苦しみといえるかもしれません。
以前、このコラムで紹介した本に、「パラノイアだけが生き残る」という本があります。今のような状況下では、最悪も含めたあらゆる方向を想定する必要があります。
自分的には、「アリとキリギリス」の「アリ」になり、今は、この踊り場に続いて生まれるであろう新しい時代に向けての心の準備が必要かと思っています。