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下田茂

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下田茂(しもだしげる) / 弁理士

みらい国際特許事務所 長野オフィス

コラム

コロナ禍時代の知的財産 -7-

2021年9月25日

テーマ:知的財産

コラムカテゴリ:法律関連

 前回のコラムでは、知財の話題から一息つかせて頂き、今は「新しい時代への踊り場」にあるとの視点から自分なりの見方を書きました。
 ただし、「新しい時代への踊り場」は、時代が大きく変化するときの変動期という意味になり、新しい時代が「良い時代」になるかどうかは人によって捕らえ方が違ってきます。
 ある国では、「経済」が悪くなり工場の稼働が減った結果、「自然」(川の水や空気)がきれいになり、生活や観光にとって良い結果が生じたと言われています。また、「経済」自体も、一部の業種は大きく落ち込みますが、他の業種では「新しい時代」へ向けての新しい需要が発生するなど、カオスが生じます。
 コロナ禍が続き、「ウィズコロナ」の時代に入っています。社会における行動様式や社会構造自身も大きく影響を受け、「ウィズコロナ」に伴う新しいビジネスや生活様式が生じています。
 一方、コロナ禍と同時に、「政治」や「自然」の世界でも大きな変化が現れているように感じます。
 特に、自然界における「気候変動」が大きな問題になっており、毎年、世界のどこかで、大雨による洪水や高温による山火事などの大規模災害が発生しています。
 「気候変動」は、二酸化炭素の過剰排出による温暖化が原因といわれ、国連は「SDGs」(持続可能な開発目標)を提唱しています。
 「SDGs」は17目標の多岐にわたっていますが、これからは、特に、「経済」活動における「SDGs」は避けて通れないと思います。
 戦後、日本は、高度成長及びバブル崩壊という経済変動がありました。この時代では、モノの拡大生産及び拡大消費が経済を高める目標になっていましたが、「SDGs」の視点からは、商品やサービスを提供する以上、提供した後の「商品」や「サービス」にも責任を持つ必要がある時代に入っています。
 この考え方は、既に多くの企業が取り入れていると思いますが、これからは、この考え方が標準で必須になると思われます。
 知的財産の視点からは、今までの「作る技術」(作るまでの技術)という能動的な時代から、これからは「SDGs」を考慮し、作る技術に加えて「壊す技術」(作ったものを元に戻す技術)を付加した新しい価値商品、いわば、自然界にとって、よりバランスが要求される時代に入っていくものと考えられます。
 コロナ禍時代をはじめ、時代が大きく変動するときは、その時代のニーズにマッチする技術や知的財産が必要になりますが、これからは、特に、再利用(リサイクル)技術や再活用技術が、「作る技術」と同じ比重で必要になる時代に入ると思っています。

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