時代の「大変換期」を如何に乗りきるか<3>
現在、政府は「秘密特許」制度の導入を検討しているなど、知財業界の話題も多いのですが、今回も標記のテーマに触れたいと思います。
今、我々は、80年歴史サイクルの「大変換期」に遭遇している可能性があり、前回までは、この可能性を前提に、自分なりに現在と未来を考察してみました。
ここで前回までに書いた内容をまとめてみます。一言でいえば、社会,経済,自然,政治などのそれぞれの分野の大転換が同時に進行し、結果的に80年サイクルの大変換期が形づくられて行くのではと考えています。
前回までに書いたキーワードです。
〔社会〕 ソーシャルディスタンスの進行など …「集中」→「分散」
〔経済〕 株価の第二波以降の下落など …「上昇」→「下降」
〔自然〕 環境破壊の不可逆性故の新しい日常など …「安定」→「変動」
〔政治〕 古い政策の限界及び国民との乖離など …「形式」→「本質」
これらの各分野におけるキーワードを見ると、いずれも「一方の極」から「他方の極」に移行する「反転現象」が生じているように見えます。このことは、過去に経験したことのない変化の「うねり」の中にいることを示しています。
このため、この大変換期を乗りきるには、「過去」の固定観念や常識などを一旦リセットし、「未来」に向けた新しい思考への切り換え、つまり、ダーウィンの言葉が示す「変化する」ことが重要なスタンスになると書いてきました。
より具体的に言えば、例えば、「温暖化」の進行により、この長野県でも、今まで栽培できていた農作物が徐々に栽培できなくなる一方、南の地方で栽培されていた農作物ができるようになっています。自然界では、気候の「変化(うねり)」に適応できる農作物しか生き残れません。
大きな「うねり」の中では、どんなに現状を維持しようと頑張っても時間と共に負荷が大きくなります。したがって、今の仕事は今の変化に適用できるのか否か常に模索し続けなければなりません。
ところで、よく知られた「80:20」の法則(パレートの法則)があります。これは、バランスを含む「多数:少数」の法則を示しています。
今までは、「多数」から連想される「仲間」などのキーワードはプラスイメージになり、「少数」から連想される「引きこもり」などのキーワードはマイナスイメージになっています。
しかし、新型コロナウィルスにとって、「少数」は、最も手ごわい「天敵」になり、「少数」種の人達に取り付いても生き延びることはできません。
新型コロナウィルスと共存し、この大変換期を乗りきるには、「少数」の考え方(捉え方)が一つのポイントになると思っています。
このことは、傲慢さを排した「心の自立」が、新しい「未来」に向けての重要なキーワードになると個人的には思っています。