農業と知的財産(1)
前回、農業のブランド力についてその重要性に触れました。今回、ブランド力以外の知的財産に目を向けたいと思います。
若い人が主体となったオシャレ感のある農業も増えてきたのではと、前回、最近の農業に対する感想を書きました。
農業は、自然の中の植物を相手にしているため、見方によっては、ガーデニングの延長線上にあると見ることもできます。したがって、今後、仕事としての生産のみならず、自給目的や趣味など、多様な発展性がある分野ではとも感じています。
今までの農業分野では、どちらかというと機能が優先され、デザインはその次のように見えました。このため、農業でオシャレといってもピンとこないところがありました。
例えば、自動車メーカーには悪いですが、軽トラックなどは、どのメーカーや車種を見てもほとんど変化がないように見えます。しかも、合わせたように同じ色が塗られています。以前、女性向きにした色バージョンを出したメーカーもあったと記憶していますがほとんど見かけません。やはり売れる車が優先ということでしょうか。しかし、今後は、もう少し個性的かつ先進的なデザインや色を取り入れても良いように感じます。
デザインといえば、農機(農具)や服装なども重要なデザイン対象になります。これらについては、最近は、徐々に、デザインを考慮したオシャレ感のあるものも出回っています。
(ヤンマー株式会社のホームページより)
農業分野におけるデザインの向上は、農業の魅力として、特に若い人や女性を引き付ける大きな要素になる思います。
そして、このように創出される新しいデザインは、知的財産の重要な一つとなり、「意匠(デザイン)権」又は「著作権」等により保護されます。
このように、農業の分野は、農業そのものの改良や発展性のみならず、知的財産の側面から見た場合にも今後の発展性や重要性が増す分野であるように感じています。
大自然の中で人間らしい人生を築いて行く夢、この夢も素晴らしいですが、農業をスマートに改変改善して未来につなげて行く夢もアリかなと思っています。