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下田茂

アイデア等を特許・商標等の権利にするプロ

下田茂(しもだしげる) / 弁理士

みらい国際特許事務所 長野オフィス

コラム

中小企業にとっての知的財産権…Ⅲ

2013年12月14日 公開 / 2021年1月22日更新

テーマ:知的財産

コラムカテゴリ:法律関連

知的財産が生み出す派生効果を最大限に利用する

 知的財産というキーワードから中小企業をみた場合、中小企業だからこそ得となるところも結構あると思います。例えば、社員数が10000人規模の大企業が特許を10件所有していたとしても何も驚きません。むしろ少ない件数であり、技術力がないのでは、とのマイナスイメージにもなりかねません。
 これに対して、社員数が10人規模の中小企業が特許を10件所有していたとすれば、相当に技術力の高い会社とのイメージを持ちます。このように、大企業と中小企業では知的財産に対する相対的な価値が異なってきます。
 そうだとすれば、1件の特許を所有する中小企業と特許の無い中小企業を比較した場合、特許を所有する中小企業の方が相対的に技術力の高い会社というイメージを与えることができます。
 特許はそれ自体の価値である権利(特許権)という財産的な価値のみならず、特許を所有することにより派生する様々な効果、上記の例では、「企業イメージ」をアップさせるという派生効果を生じます。
 別の言い方をすれば、「特許」を取得することは、例えば、食品分野において「モンドセレクション最高金賞」を取得することと似ています。特許を所有することにより自社の製品に大きな付加価値を付けることができ、「企業イメージ」の向上を出発点として「商品の販売促進」などのビジネスの成功に繋げて行くことができます。
 これ以外にも、「社員の誇りを高める」ことにより「創造力の向上」を図ったり、「特許を担保」としてお金を借りるなど、知的財産はそれ自体の価値に留まらず、多くの派生効果を生み出すことができます。
 中小企業は、技術開発力の一つをとっても大企業にはどうしても負けてしまう部分があります。しかし、知的財産を上手く利用すれば、中小企業であっても大企業に対して対等と思えるメリットを生み出すことが可能であり、「特許」などの知的財産に対しては、「狭い視点」ではなく、より「広い視点」,より「戦略的な観点」からその価値をみる必要があると思っています。

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