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知的財産の有効活用(1)…ライセンス

下田茂

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テーマ:知財の活用

 特許権や商標権等の知的財産権は、権利としての財産的価値を有しているため、いろいろな方法で有効活用できます。
 その一つがライセンス(実施権の付与)による活用です。自分で考えたアイデアについて特許を取得したが、自分では作ることができない場合、作る設備を持っている会社等にライセンスを与え、その代わりにライセンス料(実施料)を貰う方法です。したがって、頑張って良いアイデアを生み出せば、個人でも一獲千金は夢ではありません。
 ところで、先週(9月2日)の日経新聞Web版に、熊本県のPRキャラクター「くまモン」の商標使用許可(ライセンス)が6月末時点で1万件を突破した記事が掲載されていました(図形は熊本県HPより)。



 そして、現在も月700件前後のペースで伸びているとのことです。ここまで来ると、知的財産の有効活用としては模範的な成功例と言えます。
 一方、ビックリしたのはライセンス料が無料とのことです。事務処理手数料の名目で1件当たり1000円を徴収したとしても、1000円×1万件で1000万円の収益になります。勿論、PR効果により観光等に貢献しているということは理解できますが、「キャラクター」を知的財産としての価値まで押し上げるには少なからず税金というコストが消費され、他方、「キャラクター」を使用する側は「キャラクター」を使用することに伴う増益部分があります。
 望ましい有効活用の観点からは、全体のバランスを考慮した適正なライセンス料の設定も重要かと感じます。

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専門家

下田茂(弁理士)

みらい国際特許事務所 長野オフィス

個人から企業及び大学発明まで幅広く対応し、高い特許登録率を維持しています。持前の知財センスに基づき、特許権や商標権の取得はもちろんのこと、依頼者に満足して頂けることを第一に、広く深くアドバイスします。

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