「ビジネスモデル」と「ビジネスモデル特許」
特許事務所を長くやっていると、色々なアイデアに出会います。その中で、こんな単純でも特許になるという実例を挙げてみたいと思います。
Aさんが水虫で困っていました。Aさんが薬や化学の知識があったかどうかは判りませんが、ある日、杜仲茶が水虫に効くのではと思い、洗面器に飲用する杜仲茶を入れ、寝る前に足を浸し、その後、一晩寝て起きたところ、水虫が改善したということでした。
そして、Aさんは、「杜仲茶が水虫に効くので特許をとりたい」ということで、当事務所を訪れました。その結果、「杜仲茶のエキスを用いた皮膚治療剤の製造方法」ということで特許を取得しました。このアイデア、ペットボトルの杜仲茶を、単に、「皮膚治療液」としたにすぎません。
もちろん、全てがこのように簡単に特許がとれるわけではありませんが、このような「単純」なアイデアであっても特許になることも事実です。
それは次のような理由によります。特許が成立するか否かは、「単純」か「複雑」かではありません。どのようなアイデアでも、出願した時点(出願日)よりも以前にそのアイデアが存在していなければ特許の可能性が出てきます。
このように、「発明」は、決して優秀な頭脳や知識が必要というものではなく、その気になればだれでもできるものです。特に、必要は発明の母というように、家庭の主婦が考えた、結構、ユニークなアイデアも商品化されています。したがって、宝くじを買うより有用なアイデアを考えた方が当たる確率が高いかもしれません。