システム開発の見積もりを比べるとき|中小企業が金額の前に確かめること
仮に、就業規則が事務所の棚に、紙の綴りで1冊だけ置いてあるとします。社員が休みの決まりを確かめたくても、事務所に来て、綴りを開いて、そのページを探すことになります。
以前のコラム「就業規則をGemini Notebookに入れて聞く|社内の質問に資料から答える」では、就業規則をAIに入れて聞くやり方を書きました。今回は、その手前の、紙の就業規則をファイルにする話です。
結論から書きます。元のWordなどのファイルがあればPDFにし、紙しかなければ会社の複合機でスキャンします。複合機が無ければ、スマホで撮ってPDFにします。社員には「閲覧者」で共有し、ファイルで周知するなら、各作業場に社員がいつでも開ける機器を置きます。
1. まず、元のファイルを探す
紙の綴りの元になった、WordやGoogleドキュメントのファイルが残っていれば、それをPDFにするのがいちばんきれいです。文字がそのまま残るので、あとで言葉で探せます。社会保険労務士などに作ってもらった場合は、作った方に元のファイルが無いか聞きます。元のファイルが見つかったら、いま使っている紙の綴りと見比べます。手書きの直しや、あとから差し込んだページがあって紙のほうが新しければ、紙をスキャンします。
2. 紙しかなければ、会社の複合機でスキャン
会社の複合機にスキャンの機能があれば、まずそれを使います。紙をまとめて差し込める台(自動原稿送り装置)があれば、1枚ずつ置き直さずに済みます。平らなまま読むので、ゆがみや影も出にくくなります。両面に印刷してあれば、両面を読む設定にします。綴じてある綴りは、綴じ具を外してから差し込みます。外せないときは、ガラス面に1ページずつ置きます。読み込んだら、紙とページ数が合うかを見て、綴りを元に戻します。保存の操作は機種で違うので、説明書で確かめます。文字を読み取る機能(OCR)が無い機種では、言葉で探せないPDFになります。
3. 複合機が無ければ、スマホのGoogleドライブで撮る
Googleドライブのアプリには、書類を撮って、言葉で探せるPDFで保存する機能があります。Androidは右下のカメラのアイコン、iPhoneは右下の追加のアイコンからスキャンのアイコンを押して撮ります。次のページは、追加のアイコンで撮り足します。最後にファイル名と保存先を決めます。Androidでは、形式を「PDF」にします。
出典:Google ドライブ ヘルプ「Google ドライブでドキュメントをスキャンする」https://support.google.com/drive/answer/3145835?hl=ja
4. 社員には「閲覧者」で共有する
複合機やスマホで作ったPDFは、担当者個人ではなく、会社のアカウントのドライブに入れます。複合機の送り先に残ったファイルは、入れたら消します。就業規則だけを入れるフォルダを作り、共有の画面で社員のメールアドレスを入れて、権限を「閲覧者」にします。「編集者」にすると、書き換えや削除ができてしまいます。「リンクを知っている全員」は、ログインなしで誰でも開けるので使いません。
フォルダを共有すると、中のファイルにも同じ権限が付きます。社員ごとの給与や雇用契約の書類は、このフォルダに入れません。規則を改めたら、ファイル名に施行日を入れて差し替え、古い版は社員に共有していない別のフォルダに移して残します。
出典:Google ドライブ ヘルプ「Google ドライブのファイルやフォルダの共有とアクセス権の管理について」https://support.google.com/drive/answer/2494822?hl=ja
5. ファイルにしただけでは、知らせたことにならない
就業規則は、社員に知らせる(周知する)ことが法律で決められています。方法は、常時各作業場の見やすい場所に掲示するか備え付ける、書面で渡す、ファイルにして各作業場に社員がいつでも中身を確かめられる機器を置く、のいずれかです。
出典:鹿児島労働局「就業規則・法令等の周知 Q7」https://jsite.mhlw.go.jp/kagoshima-roudoukyoku/yokuaru_goshitsumon/shuuchi/1002.html
ファイルで周知するなら、社員がスマホを持っているかどうかにかかわらず、事務所のパソコンやタブレットのような、社員がいつでも開ける機器を作業場ごとに置きます。その機器は、就業規則のフォルダだけを「閲覧者」で共有したアカウントで開いておきます。会社の管理用のアカウントでログインしたままにすると、給与などの書類まで見えてしまいます。
社員には、機器がどこにあって、どう開くかを伝えます。社員のスマホだけで足りるかなど、自社のやり方で迷うときは、労働基準監督署や社会保険労務士に確かめます。
まとめ
- 元のファイルがあればPDFに。紙しかなければ複合機でスキャンし、無ければスマホで撮る
- 就業規則だけのフォルダを、社員に「閲覧者」で共有する。給与などは入れない
- ファイルで周知するなら、作業場ごとに開ける機器を置き、置き場所と開き方を知らせる
紙の綴りがファイルになれば、社員は事務所に来なくても決まりを確かめられます。AIに入れて聞くのは、その次の一歩です。


