「謝る」 ということ
「大和言葉」 の 「ようこそお運びくださいました」
これと同じ意味の言葉で、先日こんな歓迎を受けました。
「よぐ来てけらっしゃったない!」
それは、山形の小さな食堂。
久しぶりに行ったその店は、入った途端、まるで実家に帰ったように
親方はじめ、女将さんや店員さんも、みんな親しげに話しかけてきます。
「よぐ来てけらっしゃったなあ~暑がったべえ」
「これでも飲んで、ひと息入れでけらっしゃい」
そういってまず出されたのは、冷たいそば茶。(これが実に美味!!)
そして 「料理ができるまで、これちょっとつまんでで」 と出されたのは、自家製の漬物。
更に、席のそばを通るたびに、
「味はどうだい? 口に合うがい?」
「おかわりあるがら、遠慮なく言ってけらっしゃい」 と声をかけられ
とどめは、頼んでいない料理が出てきて、
「これ、夜のメニューとして作ったんだげんと、食べでみでけらっしゃい」
それは魚のあら汁で、実にいいだしが出ていて美味しかったので
作り方を親方に聞くと、家庭で作る時のちょっとしたコツを教えてくれたり・・・
その温かいもてなしに、本当に自分の 「実家」 に帰ったような気持ちになって
私たちは、すっかり長居をしてしまいました。
そしてお勘定をして店を出る時、
「今日は来てくれで ありがどない」
「また来てけらっしゃい」
「気をつけで行ってない」
そう言って、親方と女将さんは、私たちを見送ってくれました。
「また来ようね」 そう言いながら、おなかもいっぱい、心もいっぱいの私たちでした。
この店の、親方と女将さんの温かさは、なんとも不思議な温かさです。
本当に、また行きたいと思います。
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