「忌み言葉」 おめでたい席での 言葉のマナー
日本には昔から 「言葉には魂が宿る」 という 「言霊信仰」 があります。
つまり 「言葉には力があって、話す人の思いが言葉に宿り、その言葉通りの現実を運んでくる」
と考えられていたのです。
現代にも、この 「言霊信仰」 の名残りは存在し、例えば 「披露宴」 などのお祝いの席では
「不仲」 や 「離縁」 「不幸」 などを連想させるような 「縁起の悪い言葉」 を 「忌み言葉」 として、
使わないようにしています。
だいぶ前のことになりますが、披露宴でお祝いの歌を歌う予定のお客様がいらして
まだ、曲目が決まっていなかったので、スタッフの若い男性に
「お客様に曲目を聞いてきてください」 とお願いしたところ、彼はお客様の所に伺った後、
私のところにきて、大きな声で言いました。
「あのお客様は なくなりました」
これには、さすがの私も肝を冷やしました。私は大慌てで言い直しました。
「あちらのお客様は、唄を歌わないことになったのですね」
彼は一瞬キョトンとした後、ハッと気がついたらしく、慌てて言い直しました。
「そうです。あちらのお客様は、お歌いにならないそうです」
「無くなる」 は 「亡くなる」 を、連想させる 「忌み言葉」 です。
同じように 「行く」 も 「逝く」 につながるので 「いらっしゃる」 と言い換えます。
その他にも 「切れる」 「斬れる」 も 「忌み言葉」 ですから、「カット」 という言葉も使いません。
「ケーキカット」 は 「ケーキ入刀」 と言い換えます。
様々な 「忌み言葉」
その他にも、様々な 「忌み言葉」 があります。
「飽きる」 「あせる」 「失う」 「落ちる」 「返す」 「帰る」 「欠ける」 「枯れる」 「変わる」 「消える」
「崩れる」 「壊れる」 「裂ける」 「冷める」 「去る」 「倒れる」 「散る」 「つぶれる」 「出る」 「閉じる」
「流れる」 「逃げる」 「離れる」 「滅びる」 「負ける」 「戻る」 「破れる」 「病む」 「別れる」 「割れる」
なども、すべて 「忌み言葉」 ですので注意しましょう!!
とっさの時に言葉に詰まらないように、日頃から 「言葉の引き出し」 を増やすように努め、
普段の会話でも 「もっと別の言い方はないか」 と考えながら、
表現を工夫するトレーニングをしてきましょう!!
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