「披露宴の手紙」
賞味会の司会をした中で、ある時こんなことがありました。
それは、ヌーベルシノワの 脇屋友詞シェフ の賞味会を、担当させて頂く事になった時のことです。
いつものように私は、「司会をする以上は、一度はきちんとシェフの料理を食べておかなければ・・・」と
横浜のホテルにある、脇屋シェフのお店に赴きました。
ところがいざ行ってみると、お店の入口は長蛇の列。
しかも並んでいるのは全員が予約をした方たちばかり。
私は、そのお店がいつも予約で一杯なことも知らずに、予約なしでノコノコと出掛けて行ったのです。
しかも私たちは、その日の内に仙台に戻らなければならず、どうしてもその時でないとダメだったのです。
「どんな席でもいいので、お願いします!!」 私は受付で、必死にお店の人にうったえました。
「どんな席でもいいので!!」 といった時の、お店の方の「本当に?」という何とも言えない顔や
満員のお店に中で、その席だけ空いていたというのも、後から考えれば納得出来るのですが、
とにかくその時は 「背に腹は代えられぬ」 状況だったのです。
そして・・・私たちが案内されたのは・・・・
通称 『恋人たちの席』 と言われる、フロアの中央にある 『特別席』 でした。
そこは、他の席より一段高くなっていて、二人用の丸テーブルは、そこだけレースのカーテンで囲まれ、
まさしく 『恋人たちの特別席』 でした。
結局私たちは、その席で、レースのカーテン越しに、店内のお客様からの視線を全身に浴びながら、
まるで鳥かごの中に居るような気持ちで、食事をしました。
私は、仙台の賞味会で予定されていた「季節のランチ」を、そして同行したもう一人の人は
「ラーメンを食べれば、その店の腕がわかる」などと負け惜しみを言いながら「中華そば」を頂きました。
実は、案内された『特別席』の席料が予算オーバーで、1人だけ「らーめん」になってしまったのです。
お料理の味は・・・勿論美味しかったのだろうと思いますが、思い出そうとすると、今でも汗が出てきます。
あの 『恋人たちの席』 は、いまでもあるのでしょうか・・・
賞味会でのエピソードを、ホームページに掲載しています。
是非ご覧ください!! http://www.stage-up.info/contents/syoumikai.php