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笠中晴司

交通事故のトラブルを解決に導く法律のプロ

笠中晴司(かさなかせいじ)

丹波橋法律事務所

コラム

注意義務違反~予見可能性と回避義務~(1)一般論として

交通事故理論

2016年10月27日 / 2017年3月3日更新

東日本大震災時の大川小学校での不幸な出来事に対し,第一審の判決が出ました。

裁判の中身については,新聞報道以上の情報はありませんので,コメントを差し控えます。
ただ,新聞に載っていた「注意義務違反」やそれを根拠づける「予見可能性」と「回避義務」については,交通事故等の事故における責任(過失)の有無の判断でも,今回の判決と同様の判断がされますので,交通事故等でも参考になります。
そこで,今回は,それら用語の解説をしたいと思います。

まず,「注意義務違反」とは,簡単に言えば,「過失(≒責任)」とほぼ同義語と考えていただければ結構です。

なお,「過失」という言葉は,「損害賠償義務を根拠づける賠償義務者の行為等のうち,故意(わざと)ではないもの」という感じでご理解ください。

次に,「注意義務違反」の有無を判断するのには,まず,「予見可能性」の有無をまず判断し,その後,「予見可能性」があった場合に初めて,次の段階として「回避義務」の有無が判断されます。

つまり,「注意義務違反」があると判断されるのは,「予見可能性」があったうえで,「回避義務」があったと判断される場合に限定されるということです。

では,次に「予見可能性」とは何かということになりますが,言葉からもわかるかもしれませんが,「事故等損害を発生させるような危険な事象の発生を,その事象が発生する前に予想することができたかどうか」ということです。

もっと細かくいうと,「注意義務違反」が認められるには,「予見可能性」があったうえに「予見義務(予見する義務)」があったことが必要です。

最後に「回避義務」とは,「予見した危険な事象に対し,その事象が発生する前に対処し,その事象の発生を回避する義務」です。

これも細かく言うと,「回避可能性(回避できる可能性)」があることを前提としたうえで「回避義務」の有無を判断することとなります。

ただ,言葉で説明すると簡単なようですが,これらを具体例で判断した場合は,「注意義務違反」の有無の判断は極めて微妙な判断となります。

そして,実際,東日本大震災関係の津波被害に関する裁判でも,大川小学校とは異なり,管理者側に「注意義務違反」がないと判断された事例もあるのです。

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交通事故の話題を中心に多数のコラムを書いています。
過去のコラムは,こちらから見ていただくのが便利ですので,よろしくお願いいたします。
http://mbp-kyoto.com/ko2jiko/column/17895/
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