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【2020年著作権法改正】アクセスコントロールの保護強化

拾井央雄

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テーマ:法律アップデート

著作権
著作権法には,著作物に対する技術的利用制限手段(アクセスコントロール)を回避可能とする行為を著作権侵害とみなす旨の規定が置かれています。
しかし,デジタル・コンテンツの提供方法が,パッケージからネット配信へと移行しています。
そしてネット配信されたコンテンツのアクセスコントロールとしては,シリアル・キーを入力するライセンス認証が主流となっています。
そこで,このような変化に対応できるように,2020法改正によって,アクセスコントロールに関する保護強化の規定が置かれました。

後輩:あれ?おかしいなあ,どこか間違ってるのかなあ?

先輩:どうしたの?

後輩:新しいソフトウェアをインストールしたんだけどライセンス認証が通らないんですよ。

先輩:ちゃんと正規の商品をインストールしたでしょうね?

後輩:もちろんですよ。

先輩:どれどれ。
なあんだ,小文字の「l」と数字の「1」を間違えてるよ。

後輩:あ,ほんとだ。ありがとうございます。
でも,なんですか,その「正規の商品」って。
正規でないのがあるんですか?

先輩:よからぬ興味を持ってもらったら困るから,くわしいことは言わないけどね。

後輩:そうか,アプリケーション自体はダウンロードできるから,あとは何とかして認証コードが入手できれば・・・。

先輩:みんながそんなことし始めたらソフトウェア産業が成り立たなくなって,結局自分たちの首をしめることになるよ。

後輩:つい,自分ひとりがちょっと使うだけだからって思いがちです。

先輩:だから,2021年1月1日施行の改正著作権法で,不正な認証コードを提供したりすることが著作権侵害とみなされることになりました。

後輩:著作物でない物にアクセス制限がかけられている場合はどうなるんですか?

先輩:不正競争防止法に同じ趣旨の規定があるから,著作権法ではなくて不正競争防止法で不正競争行為とされることになるね。

後輩:なるほど。ありがとうございました。
当たり前だけど,ちゃんと正規の商品を買って使います!

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拾井央雄
専門家

拾井央雄(弁護士)

京都北山特許法律事務所

エンジニア15年〜弁理士5年と弁護士としては異例の経歴を持ち、技術系分野に精通。知的財産や技術系法務のエキスパートとして数多くの事業者を支援。また自身が住職である立場から宗教法人のサポートも手掛ける。

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