日本版DBS 第10回 DBSだけでは子どもを守れない――運用と制度の限界
さて、ここからは実践編です。日本版DBSが始まる前に準備すべきことをあげていきます。
対象事業者であるかどうかの確認
まず、自社が対象事業者であるかの確認をします。第2回で説明した対象事業者の種類を確認して、自社がそれに該当するか確認します。
対象業務従事者を名簿化
次に、対象業務従事者を名簿化します。第3回で説明した対象業務をもとに作成してください。施行時の現職者についても施行後3年以内に順次確認が必要です。また、原則5年ごとに再確認されます。
判断に迷う場合は、ガイドラインやQ&Aを確認したうえで、所轄庁や専門家に相談してください。
高リスク場面の洗い出し
また、子どもに対する性犯罪を防ぐためには、おそれのある人を子どもに近づけないだけでは足りません。
まず、子どもに対する性犯罪が起こりやすい場面を洗い出します。第3回で説明した、支配性・閉鎖性・継続性の3つの視点から、どこでどのようなリスクがあるか確認します。
たとえば、学校では、通常の授業での教室内はこれら3点が成立しやすい場です。また、スクールカウンセリングでは、通常カウンセリングルームでカウンセラーと2人きりになります。また、学校で個別指導をする場面も、リスクが高くなります。さらに車で送迎する場合は、バスにほかの職員が乗っていなければ、リスクは高くなります。
さらに、SNSやメール、学習アプリ上のチャットで、私的なやり取りをしていないかもチェックします。
リスクが高い場面がわかると、そのリスクを下げるためにどうすればいいか考えます。
たとえば
- 室内の様子を外から確認できる構造にする
- 面談日時と利用者を記録する
- 緊急時に他の職員が入室できる状態にする
- 個別指導の場所や時間を職員間で共有する
- 送迎時の連絡・記録ルールを定める
などが考えられます。


