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個人事業者の家事供用資産の消費税の取扱い

佐々木保幸

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テーマ:個人の税金

①家事共用資産の取得
個人事業者が事業と家事の用途に共通して消費し、又は使用する資産を家事共用資産といいます。家事共用資産を取得した場合、その家事消費又は家事使用に係る部分は課税仕入れに該当しないことに留意する必要があります。この場合において、家事共用資産の取得に係る課税仕入れに係る支払対価の額は、その資産の消費又は使用の実態に基づく使用率、使用面積割合等の合理的な基準により計算します(消基通11-1-4)。

自動車を525万円(うち消費税額等25万円)で取得した場合の課税仕入れに係る支払対価の額
(取得のときの家事使用割合は20%)

525万円×(100%-20%)=420万円
この場合の会計処理は次のとおりです。
(車両運搬具) 500万円 / (現金預金)525万円
(仮払消費税等)20万円
(事業主貸)  5万円

②家事共用資産の譲渡
個人事業者が、事業と家事の用途に共通して使用するものとして取得した資産を譲渡した場合には、その譲渡に係る金額を事業としての部分と家事使用に係る部分とに合理的に区分します。この場合において、その事業としての部分に係る対価の額が資産の譲渡等の対価の額となります。
(消基通10-1-19)。
なお、この区分は、その資産の譲渡のときの使用区分ではなく、その資産を取得したときの区分によります。
本事例では、譲渡のときの家事使用割合40%ではなく、取得のときの家事使用割合20%により計算します。したがって、次の金額が課税資産の譲渡等の対価の額となります。

上記の自動車(帳簿価額100万円)を数年後を105万円(うち消費税額等5万円)で譲渡した場合の課税資産の譲渡等の対価の額(譲渡のときの家事使用割合は50%)

100万円×(100%-20%)=80万円
この場合の会計処理は次のとおりです。
(現金預金)105万円 /  (車両運具)  100万円
            (仮受消費税等)  4万円
            (事業主借) 1万円


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佐々木保幸
専門家

佐々木保幸(税理士)

税理士法人 洛

会計の数値をもとに、経営を一緒に考え共に成長を目指す。弁護士など異業種との交流も深く、お金にまつわることであれば専門外の問題にも力を発揮。税務関連の講師も務める。

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