手軽な国語力アップ
中学受験を目指す小学生のお子さんをお持ちの保護者の皆様、こんにちは。
国語専門オンライン学習塾 啓理学舎の篠田です。
中学受験用の模試が返却されたとき、皆様はどこをご覧になるでしょうか。
偏差値、順位、志望校の合格判定……。
もちろん、これらも大切な情報です。
しかし、模試を受ける本当の目的は、現在の実力を確認することだけではありません。
次の模試で得点できるように、何を復習すればよいのかを明らかにすることも、模試の重要な役割です。
今回は、
国語の偏差値60を目指すお子さんを対象に、模試の返却後にどの問題を復習すればよいのか、
具体的に考えていきます。
1.偏差値60を目指すなら、正解率の高い問題の失点を見逃さない
模試の成績表や問題冊子には、問題ごとの「正答率」が掲載されていることがあります。
正答率とは、その問題を受験生全体のうち何%が正解したかを示す数値です。
例えば、次のような問題があったとしましょう。
・問1:正答率80%
・問2:正答率65%
・問3:正答率45%
・問4:正答率20%
このうち、お子さんが問2と問3を間違えていたら、まずは問2を復習することをおすすめします。
なぜでしょうか。
正答率の高い問題は、多くの受験生が正解できている問題です。
こうした問題で失点している場合、本文の読み違い、設問の見落とし、選択肢の吟味不足など、改善できる原因が隠れている可能性があります。
偏差値60を目指すのであれば、難しい問題に挑戦することだけでなく、
正解できるはずの問題を確実に得点する力を身につけることが重要
です。
ただし、正答率が高いからといって、すべての問題を同じように扱う必要はありません。
漢字などの知識問題なのか、読解問題なのかによって、復習の仕方も変わります。
2.正答率40~60%程度の問題にも目を向ける
次に復習したいのが、正答率40~60%程度の問題です。
これらは、受験生の間でも正解・不正解が分かれやすい問題です。
特に、解説を読めば理解できる問題や、本文に戻って根拠を探せば正解できる問題は、優先して取り組みたいところです。
例えば、物語文の心情を問う問題で間違えたとします。
解説を読んで「なるほど、この行動が悲しい気持ちを表していたのか」と納得できたとしても、それだけでは十分ではありません。
もう一度本文を読み、登場人物の言葉や行動、前後の出来事を確認し、なぜその心情になるのかを自分で説明してみましょう。
説明的文章であれば、筆者の主張と具体例を区別できていたか、接続語を手がかりに論理の展開を追えていたかを確認します。
こうした復習を通して、単に正解を覚えるのではなく、初めて読む文章にも対応できる読解力を養っていくのです。
3.正答率が低い難問は、すべて復習する必要があるのか?
それでは、正答率20%程度の難しい問題は、復習しなくてもよいのでしょうか。
必ずしも、そうではありません。
大切なのは、
その問題が「今の自分にとって、取り組む価値のある問題かどうか」を判断すること
です。
例えば、難しい記述問題であっても、本文の根拠を見つけられれば、解答の組み立て方を学べる場合があります。
一方、複雑な条件を組み合わせる難問で、解説を読んでも理解できず、基礎的な読解力も十分でない場合には、今すぐその問題に時間をかけるより、基本・標準問題の復習を優先したほうがよいこともあります。
また、志望校の出題傾向によっても判断は変わります。
正答率が低いという理由だけで復習対象から外すのではなく、
解説を読んで理解できるか、志望校対策として重要かを考えることが大切
です。
なお、模試によっては、偏差値60前後の受験生がどの問題を正解しているかを確認できる場合もあります。
そのような資料があれば、全体の正答率と併せて参考にしましょう。
4.国語の復習で確認したい4つのポイント
ここからは、間違えた問題をどのように復習すればよいのか、具体的に説明します。
① 漢字・語彙の問題
漢字や語句の問題で間違えた場合は、正解を確認するだけで終わらせないようにしましょう。
漢字なら、読み方だけでなく、書き方や意味も確認します。
語句なら、辞書的な意味を覚えるだけでなく、実際の文章の中でどのように使われるのかを理解することが大切です。
知識問題は、繰り返し確認することで得点につながりやすい分野です。
② 選択問題
選択問題で間違えた場合、正解の選択肢を確認するだけでは不十分です。
自分が選んだ選択肢について、どこが本文と合わなかったのかを説明できるようにしましょう。
例えば、本文には「少し不安だった」と書かれているのに、選択肢では「強い恐怖を感じていた」と説明されている場合、気持ちの強さが本文と一致していません。
また、本文に書かれていない内容を、もっともらしいという理由で選んでしまうこともあります。
本文に書かれている事実と、自分が想像したことを区別する習慣を身につけることが重要です。
③ 記述問題
記述問題では、模範解答を書き写すだけの復習にならないように注意しましょう。
まず、設問が何を求めているのかを確認します。
「なぜですか」と聞かれているのか、「どのような気持ちですか」と聞かれているのかによって、答え方は異なります。
次に、本文のどこに答えの根拠があるのかを探します。
そして、必要な要素が答案に含まれているかを確認しましょう。
模範解答と自分の答案を比べる際には、
表現が違うことだけを気にするのではなく、必要な内容が抜けていないかに注目
してください。
④ 読解問題全般
読解問題で間違いが多い場合は、単に問題を解き直すだけでなく、文章の読み方そのものを見直す必要があります。
物語文では、登場人物の行動や会話、その背景となる出来事を関連づけて読むことが大切です。
説明的文章では、筆者の主張、具体例、対比、理由と結論などの関係を整理します。
こうした読み方が身につくと、初めて読む文章でも、本文の根拠をもとに答えを考えられるようになります。
5.模試の見直しは、3段階で進めましょう
模試の返却後は、次の手順で復習すると効果的です。
第1段階:間違えた問題を分類する
正答率を確認しながら、知識不足、本文の読み違い、設問の理解不足、選択肢の吟味不足、記述要素の不足など、失点の原因を考えます。
第2段階:解説を読んだ後、自力で解き直す
解説を読んで納得しただけでは、実力が身についたとは限りません。
解説を閉じ、もう一度自分の力で解いてみましょう。
本文のどこを根拠にしたのかも説明できると理想的です。
第3段階:数日後に再確認する
一度正解できても、時間がたつと再び間違えることがあります。
数日後や1週間後を目安に、もう一度解き直してみましょう。
大切なのは、
復習した問題数を増やすことではなく、間違えた問題を次には正解できるようにすること
です。
6.偏差値60を目指すために、保護者ができること

お子さんの偏差値が思うように上がらないと、保護者としては不安になるものです。
しかし、模試の結果を見て「どうしてこんな問題を間違えたの?」と責めてしまうと、お子さんは間違いを振り返ること自体に抵抗を感じてしまうかもしれません。
それよりも、
「この問題は、どこまでわかっていたのかな?」
「次に同じ問題が出たら、どうすれば解けそうかな?」
と、一緒に考えてみてはいかがでしょうか。
模試は、お子さんの能力を決めつけるためのものではありません。
今後の学習で改善すべき点を見つけるための資料です。
偏差値60を目指すうえで必要なのは、難しい問題をたくさん解くことだけではありません。
正解できる問題を確実に得点し、解けなかった問題から学び、読解力を着実に伸ばしていくことです。
国語専門オンライン学習塾 啓理学舎では、文章を読む際の「言いかえる力」「くらべる力」「たどる力」を大切にしています。
本文の言葉を別の表現に言いかえて理解すること、文章中の情報を比較すること、根拠から結論までをたどること。
こうした力を育てることが、模試だけでなく、入試本番で初めて出会う文章に対応する力につながります。
模試の結果を、次の成長につなげていきましょう。
お子さんの国語の学習方法や、模試の結果を踏まえた復習の進め方についてお悩みの方は、国語の学習状況を振り返る機会として、個別の学習相談もご活用ください。
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