一文要約のやり方を徹底解説|国語の要約問題が苦手な小・中学生向け勉強法
こんにちは。
「国語専門オンライン学習塾 啓理学舎」代表の篠田です。
今回は、これまでの「説明的文章の要約」シリーズの最終回として、実際に説明的文章の要約文を作成する方法について解説します。
これまでの記事では、
⑴ 説明的文章の要約とは?――国語力を伸ばし、学力全体を高める重要な力
https://mbp-japan.com/kanagawa/pega-yk6/column/5120458/
⑵ 一文要約のやり方を徹底解説|国語の要約問題が苦手な小・中学生向け勉強法
https://mbp-japan.com/kanagawa/pega-yk6/column/5121410/
⑶【国語入試対策】説明文の要約が劇的に得意になる!「キーワード」「キーセンテンス」「意味段落」の決定版攻略法
・キーワード・キーセンテンスの見つけ方
・形式段落を「意味段落」にまとめる方法
・「段落キーセンテンス」の見つけ方
https://mbp-japan.com/kanagawa/pega-yk6/column/5232825/
について説明してきました。
ここまでの内容を身につけると、いよいよ文章全体を一つの要約文にまとめる段階に進むことができます。
要約は、ただ本文の文章を抜き出してつなげれば完成するものではありません。
文章の構造を理解し、各意味段落の要点を整理し、それらをつないで、わかりやすい文章に作り直すことが大切です。
では、具体的な手順を見ていきましょう!
目次
1.説明的文章の要約文を作る4つのステップ
説明的文章の要約は、次の4つのステップで進めると取り組みやすくなります。
STEP1 各意味段落の要点をまとめる
まず、⑶で見つけた「段落キーセンテンス」をもとに、それぞれの意味段落で何が説明されているのかを整理します。
STEP2 各意味段落の要点を一文にまとめる
段落キーセンテンスが複数ある場合は、必要に応じて一文にまとめます。
STEP3 各意味段落の要点をつないで、全体の要約文を作る
それぞれの意味段落の要点を、文章全体の流れに合うようにつないでいきます。
STEP4 最後に文章をチェックする
主語と述語の関係や修飾語のかかり方、言葉の重複などを確認し、最後に全体の意味が通っているかをチェックします。
つまり、
意味段落を整理する
↓
各段落の要点をまとめる
↓
要点をつなぐ
↓
わかりやすい文章に整える
という流れです。
2.まずは各意味段落の要点をまとめる
最初に行うのは、⑶で見つけた「段落キーセンテンス」をもとに、各意味段落の要点をまとめることです。
たとえば、一つの意味段落に、
・段落キーセンテンス
・それを説明する具体例
・理由
・補足説明
などが含まれていたとします。
この場合、すべてを要約文に入れる必要はありません。
大切なのは、
「この意味段落では、結局何を伝えようとしているのか?」
を考えることです。
具体例や細かな説明は、文章全体の要約に必要かどうかを考えて、必要がなければ省きます。
ここで意識したいのが、
「細かい内容」ではなく「その段落の中心となる内容」を残す
ということです。
3.段落キーセンテンスが2文以上ある場合
段落キーセンテンスが2文以上ある場合は、そのまま並べるのではなく、一文にまとめられないかを考えます。
これは、これまで解説した「一文要約」の力が活きるところです。
たとえば、
「人間は自然環境に大きな影響を与えている。」
「その影響は、自然環境を変化させる原因となっている。」
という2つの内容があった場合、
「人間は自然環境に大きな影響を与え、その環境を変化させている。」
のように、一文にまとめることができます。
もちろん、無理に一文にする必要はありません。
大切なのは、意味を失わず、簡潔でわかりやすい文章にすることです。
4.要約文をわかりやすくする3つのポイント
各意味段落の要点をまとめるときには、次の3点にも注意しましょう。
① 指示語は具体的な言葉に戻す
「これ」「それ」「このようなこと」などの指示語は、そのまま要約文に入れると、何を指しているのかわからなくなることがあります。
そのため、要約文だけを読んでも意味がわかるように、指示語が指している具体的な内容に置き換えることが大切です。
たとえば、
「このことが重要である。」
という文章だけでは、「このこと」が何を指しているのかわかりません。
そこで、本文に戻って具体的な内容を確認し、
「自然環境を守ることが重要である。」
のように書き換えます。
要約文は、本文を見なくても意味が通る文章にすることを意識しましょう。
② 二重否定は、できるだけ肯定形にする
二重否定とは、「~ない」「~ない」のように、否定する表現を重ねて使う表現
です。
たとえば、
「この方法が有効でないとは言えない。」
という表現があった場合、
要約では、
「この方法は有効である。」
のように、意味を変えない範囲で肯定形にすると、よりわかりやすくなります。
要約では、できるだけ読み手が理解しやすい表現に整えることが大切です。
③ 疑問文は、答えを確認して肯定文にする
説明的文章では、
「では、なぜこのようなことが起こるのでしょうか。」
のような問題提起が出てくることがあります。
しかし、この疑問文そのものが筆者の主張とは限りません。
その場合は、
「筆者は、この問いに対して何と答えているのか」を本文から探します。
たとえば、
「なぜ自然環境を守る必要があるのでしょうか。」
という問いに対して、
「それは、私たちの生活が自然環境に支えられているからである。」
と書かれていれば、
要約では、
「私たちの生活は自然環境に支えられているため、自然環境を守る必要がある。」
のように、問いと答えを整理してまとめます。
5.各意味段落の要点をつないでいく
各意味段落の要点が整理できたら、次はいよいよ文章全体の要約を作ります。
ここで大切なのは、単純に上から順番に並べるだけではないということです。
まず、それぞれの意味段落が文章全体の中でどのような役割を持っているのかを考えます。
たとえば、
「問題提起」
↓
「原因」
↓
「具体的な説明」
↓
「筆者の主張」
という構造になっているかもしれません。
この構造を意識しながら、各段落の要点をつないでいきます。
6.結論をどこに置くかを考える
説明的文章では、筆者の結論が文章の最初や最後に出てくる場合があります。
この場合は、基本的には本文の流れを生かしてまとめるとよいでしょう。
一方、文章の途中に重要な結論が出てくる場合もあります。
その場合は、その結論が要約文の中で埋もれてしまわないように注意します。
特に大切なのは、「筆者が最終的に何を伝えたいのか」が要約文を読んだときにわかることです。
要約は、本文の内容を均等に並べる作業ではありません。
要約とは、筆者の主張を中心に、重要な内容を整理する作業なのです。
7.キーワードはできるだけ統一する
本文の中で、同じ意味の言葉が複数使われている場合があります。
たとえば、
「違い」
「相違」
「相異」
などが使われている場合です。
要約文では、これらを必要に応じて一つの言葉に統一すると、文章がすっきりします。
また、同じ内容を何度も繰り返している場合も、要約では一度にまとめることができます。
ただし、言葉を統一するときには、本文の意味を変えないことが大切です。
8.一文を長くしすぎない
要約文を作っていると、「あれも入れたい」「これも入れたい」と考えて、一文が非常に長くなってしまうことがあります。
しかし、一文が長くなりすぎると、
・何が主語なのかわからない
・述語がどこにかかっているかわからない
・修飾語が何を説明しているかわからない
といった問題が起こりやすくなります。
そのため、一文を作ったら、
「この文は、最初から最後まで一度に読んで意味が理解できるか?」の確認
をしましょう。
一文を短くする必要がある場合は、内容を整理したうえで、二つの文に分けることも大切です。
9.最後に「文のねじれ」をチェックする
要約文を書き終えたら、必ず文章を読み直しましょう。
特に確認してほしいのが、『文のねじれ』です。
「文のねじれ」とは、主語と述語、あるいは修飾語と被修飾語の関係が正しく対応していない状態です。
たとえば、
「私の趣味は、読書をしています。」
という文章は、「私の趣味は」と「読書をしています」の対応が不自然です。
これを、
「私の趣味は、読書をすることです。」
または、
「私は、読書をしています。」
のように直します。
要約文では、内容だけでなく、文章として正しく書けているかも重要です。
10.修飾語と被修飾語の関係も確認する
もう一つ注意したいのが、修飾語と被修飾語の関係です。
たとえば、
「この本は、悲しい東京の物語です。」
という文章では、「悲しい」が「東京」を修飾しているようにも読めてしまいます。
そこで、
「この本は、東京の悲しい物語です。」
とすると、意味が明確になります。
また、修飾語がいくつも続く場合は、長い修飾語を前に、短い修飾語を後ろに置くと、意味が理解しやすくなる場合があります。
要約文では、読み手が迷わず理解できる語順を意識しましょう。
11.最後は「意味が通るか」を確認する
ここまでできたら、最後のチェックです。
完成した要約文を、本文を見ないで読んでみましょう。
そして、次のことを確認します。
【要約文の最終チェック】
・筆者の主張が入っているか
・各意味段落の重要な内容が整理されているか
・重要ではない具体例や細かな説明が入りすぎていないか
・指示語が具体的な言葉になっているか
・同じ内容を繰り返していないか
・キーワードが統一されているか
・主語と述語が正しく対応しているか
・修飾語と被修飾語の関係がおかしくないか
・一文が長くなりすぎていないか
・要約文だけを読んでも意味が通るか
このチェックを行って、文章全体を整えれば完成です。
12.要約文の文字数はどう考えればいい?
実際に要約の練習をするときは、文字数を決めて取り組むことをおすすめします。
たとえば、公立高校国語の入試問題ならば、300字程度の要約に挑戦してみるのがよいでしょう。
300字程度にまとめようとすると、
「この内容は必要なのか?」
「この具体例は省いてよいのか?」
「同じことを繰り返していないか?」
と考える必要があります。
そのため、要約の練習には適しています。
また、一文が長くなりすぎないように、一文40~60字程度を一つの目安として考えることもできます。
ただし、これは絶対的なルールではありません。
大切なのは、文字数に合わせることだけではなく、意味が正確に伝わる、わかりやすい文章にすることです。
13.説明的文章の要約は「文章を再構成する」作業
ここまで読んできて、
「要約って、本文から重要な文を探して、それをつなげればいいのでは?」
と思った方もいるかもしれません。
しかし、本当の意味での要約は、それだけではありません。
本文から重要な内容を見つけ、
「何が重要なのか」
を判断し、
「どの順番でまとめればわかりやすいのか」
を考え、
自分の言葉で一つの文章として再構成する。
これが説明的文章の要約です。
だからこそ、要約の練習は、単なる「短くする練習」ではありません。
要約は、文章を正確に読み、考え、整理し、表現する練習なのです。
14.「説明的文章の要約」4つの記事をまとめると
ここまで、4回にわたって説明的文章の要約について解説してきました。
もう一度、全体を整理してみましょう。
①「要約」とは何かを理解する
まず、要約とは単に文章を短くすることではありません。
要約とは、筆者が何を伝えたいのかを読み取り、文章全体の内容を簡潔にまとめることです。
②「一文要約」を練習する
長い文章も、一文一文の積み重ねです。
まずは、
主語と述語を見つける
↓
必要な言葉を残す
↓
一文を簡潔にまとめる
という練習をします。
③「キーワード・キーセンテンス・意味段落」を見つける
長い文章では、
キーワード
↓
キーセンテンス
↓
意味段落
↓
段落キーセンテンス
という視点から、文章全体の構造を整理します。
④ 実際に要約文を作成する
最後に、
各意味段落の要点をまとめる
↓
要点をつなぐ
↓
文章を整える
↓
最終チェック
という手順で、文章全体を要約します。
15.要約力は、国語の学習を支える力
説明的文章の要約ができるようになるためには、いきなり文章全体を短くまとめようとしてはいけません。
まずは一文を正確に読みます。
次に、文章の中から重要な言葉や文を見つけます。
そして、意味段落ごとの内容を整理します。
最後に、それらをつないで一つの要約文を作ります。
つまり、
一文を読む力
↓
重要な情報を見つける力
↓
文章の構造を理解する力
↓
要点を整理する力
↓
自分の言葉でまとめる力
という順番で、少しずつ力を伸ばしていくことが大切です。
要約の練習を続けることで、文章を「なんとなく読む」のではなく、「何が重要なのかを考えながら読む」習慣が身についていきます。
まとめ|説明的文章の要約は、4つのステップで身につけよう
説明的文章の要約は、難しい文章をいきなり短くするものではありません。
次の4つのステップを意識して練習してみましょう。
STEP1 一文を正確に読む
↓
STEP2 キーワード・キーセンテンス・意味段落を見つける
↓
STEP3 各意味段落の要点をまとめる
↓
STEP4 要点をつないで、文章全体を要約する
そして、最後に、
「筆者の言いたいことが伝わっているか」
「文章として正しく書けているか」
「要約文だけを読んでも意味が通るか」
を確認します。
この一連の練習を繰り返すことで、少しずつ「文章のどこが重要なのか」を見抜く力が身についていきます。
おわりに
「国語の文章問題が苦手」
「説明文を読んでも、何が書いてあるのかわからない」
「記述問題になると、何を書けばいいのかわからない」
このようなお子さまの場合、ただ国語の問題をたくさん解くだけではなく、文章そのものを正確に読む力を育てることが大切です。
要約は、そのための非常に有効な練習方法の一つです。
一文を正確に読み、重要な言葉を見つけ、文章の構造を理解し、要点を整理して、自分の言葉でまとめる。
この練習を積み重ねることで、
「読む力」
「理解する力」
「考える力」
「まとめる力」
「表現する力」
を総合的に伸ばしていくことができます。
国語の成績を上げたい。
説明文・論説文の読解問題を得意にしたい。
要約問題や記述問題に強くなりたい。
そして、国語だけでなく、学習全体の力を高めたい。
そのようなお子さまにとって、「要約する力」は、これからの学習を支える大切な力になるのではないでしょうか。
「啓理学舎」では、国語の問題をただ解くだけではなく、文章を正確に読み、筆者の考えを理解し、自分の言葉でまとめる力を大切にしています。
まずは、一文を短くまとめるところから。
そして、少しずつ文章全体をまとめる練習へ。
「要約できる力」を、一緒に育てていきましょう。


