「基礎的国語力」を伸ばすためには……音読!

こんにちは。
国語専門オンライン学習塾 啓理学舎の篠田です。
今回は、
「国語力がないと、中学英語もできなくなる!?」
というテーマについてお話しします。
「国語が苦手だと、高校英語で伸び悩む」
という話を聞いたことがある保護者の方も多いのではないでしょうか。
しかし、私は長年、中学生の国語を指導してきて、国語力の影響は高校英語になってから突然現れるものではないと感じています。
実際、中学英語の学習でも、文章の構造を読み取ったり、日本語を英語に置き換えたりする場面では、国語力が大きく関係してきます。
特に中学2年生・中学3年生になり、
・現在分詞
・過去分詞
・関係代名詞
・英作文
・語句整序問題
・長文読解
などが出てくると、
「英単語は知っているのに、英文が作れない」
「文法は習ったはずなのに、問題になると解けない」
という生徒が出てきます。
その背景には、日本語の文章を正確に読み取る力が関係している場合があります。
目次
「英語の問題」なのに、なぜ国語力が必要なのか?
例えば、次のような問題を考えてみましょう。
【問題】
以下の日本語訳に合うように、英単語を並べかえなさい。
⑴ ベンチにすわっている男性は、トムさんです。
(sitting / on / man / the / Tom / is / bench)
⑵ 僕には、とてもうまく泳ぐことができる友人がいます。
(swim / can / a / friend / have / very / I / who / well)
一見すると、
「英単語を知っていて、文法を覚えていれば解ける問題」
に見えるかもしれません。
しかし、実際にはそう簡単ではありません。
この問題では、まず日本語の文章の構造を読み取る必要があります。
①「主部」と「述部」を見つける
⑴「ベンチにすわっている男性は、トムさんです。」
という文を考えてみましょう。
まず、文の中心になるのは、
「男性は」(主部)→「トムさんです」(述部)
という部分です。
一方、
「ベンチにすわっている」
という部分は、「男性」を詳しく説明しています。
つまり、
ベンチにすわっている【男性】
↓
その男性は【トムさんです】
という構造になっています。
この日本語の構造が理解できれば、
The man sitting on the bench is Tom.
という英文を組み立てることができます。
ここで大切なのは、
「sitting on the bench」が「man」を説明(修飾)している
という関係を理解することです。
単語を一つひとつ知っているだけでは、正しい英文を組み立てることはできません。
②「どの言葉が、どの言葉にかかっているか」を考える
次に、
⑵「僕には、とてもうまく泳ぐことができる友人がいます。」
という文を考えてみましょう。
この文の中心は、
「僕には」(主部)→「友人がいます」(述部)
です。
そして、
「とてもうまく泳ぐことができる」
という部分は、「友人」がどのような友人なのかを説明(修飾)しています。
つまり、
とてもうまく泳ぐことができる【友人】
↓
僕には、そのような【友人がいます】
という構造です。
そのため、
I have a friend who can swim very well.
という英文を作ることができます。
ここでも重要なのは、
「who can swim very well」が「friend」を説明(修飾)している
ということです。
「英語が苦手」なのではなく、日本語の構造が見えていない?
ここは、保護者の方にぜひ知っていただきたいところです。
お子さんが、
「英単語は覚えているのに英文を作れない」
という状態だったとします。
このとき、
「英単語の勉強が足りない」
「英文法の勉強が足りない」
と考えることはもちろんできます。
しかし、それだけではありません。
もしかすると、
「日本語の文章の構造を読み取る力」が不足している
のかもしれません。
例えば、
・何が主語なのか
・何が述語なのか
・どの言葉がどの言葉にかかっているのか
・文の中心はどこなのか
・どの部分が補足説明なのか
こうしたことを日本語で理解できなければ、その構造を英語に置き換えることも難しくなります。
特に、現在分詞や過去分詞、関係代名詞などを使う英文では、文の中に別の説明が入り込むため、文章の構造を把握する力が重要になります。
※「日本語の文章を読んでも意味がつかめない」というお子さんの場合…
→「文章は読んでいるのに国語の問題が解けないのはなぜ?」
https://mbp-japan.com/kanagawa/pega-yk6/column/5237071/
中学英語では「単語力・文法力」だけでは足りない
もちろん、ここで誤解していただきたくないことがあります。
国語力があれば英語ができる、という意味ではありません。
英語を学ぶためには、
・英単語
・英文法
・基本文型
・英語の語順
・音読
・リスニング
・英文読解
・英作文
など、英語そのものの学習が必要です。
一方で、英語の文章を読み、意味を理解し、日本語から英文を組み立てる段階になると、文章を正確に理解する力が必要になります。
現在の中学英語でも、単に文法事項を暗記するだけでなく、文法を使って英文を読んだり、書いたりする力が重視されています。
つまり、
「英語力」+「文章(日本語)を読み取る力」の両方が必要
なのです。
※文章を正確に読む力を育てるには、まず「声に出して読む」ことも大切です。
→「音読が苦手な子は、なぜ国語も苦手になりやすいのか?」
https://mbp-japan.com/kanagawa/pega-yk6/column/5236845/
英語が苦手な中学生こそ「国語」を見直してみる
もし、お子さんが、
「英単語は覚えている」
「文法の説明を聞けば分かる」
「でも、文章問題になると解けない」
という状態なら、一度、国語の力も確認してみてください。
例えば、国語の文章を読ませたときに、
「誰が何をしたの?」
「この言葉は、何を説明しているの?」
「この文章の中心はどこ?」
と聞いてみます。
ここでうまく説明できない場合は、単なる英語の知識不足ではなく、
文章そのものを構造的に読む力が不足している可能性
があります。
※国語そのものに苦手意識があるお子さんは、こちらの記事も参考にしてください。
→「国語が苦手」「本が読めない」「音読が苦手」そんな小中学生へ
https://mbp-japan.com/kanagawa/pega-yk6/column/5237075/
国語力は、国語だけの力ではありません
「国語力」という言葉から、
「国語のテストで点数を取るための力」
をイメージする方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、本来の国語力は、それだけではありません。
文章を読み、
「何が書いてあるのか」
「文章はどのような構造になっているのか」
「筆者や書き手は何を伝えようとしているのか」
を理解する力も、重要な国語力です。
そして、この力は国語だけでなく、英語の読解や英作文にもつながっていきます。
「英語が苦手」なら、日本語の読み方も見直してみましょう
中学生になって英語が難しくなってきたとき、
「英語の勉強時間を増やそう」
と考えるのは当然です。
しかし、それと同時に、
「日本語の文章を、この子は正確に読めているだろうか?」という視点も持っていただきたい
と思います。
英語の問題を解くときにも、
日本語の文章を読む
主語を見つける
述語を見つける
修飾関係を確認する
文の中心を整理する
その構造を英語に置き換える
という習慣をつけてみてください。
これは英語の学習であると同時に、国語の読解力を鍛えるトレーニングにもなります。
啓理学舎が「国語力」を大切にする理由
啓理学舎は、国語専門オンライン学習塾です。
だからこそ、単に国語の問題を解いて、答え合わせをするだけの指導はしていません。
大切にしているのは、
「文章を正確に読む力」
です。
文章を正確に読む。
文章の構造を理解する。
書かれていることを整理する。
そして、自分の言葉で説明する。
こうした力は、国語の問題だけでなく、他教科の学習にもつながります。
英語でも、
「単語は知っているのに英文が読めない」
「文法は分かるのに英作文が書けない」
というお子さんの場合、英語だけを見るのではなく、日本語の文章をどのように読んでいるのかを確認してみることをおすすめします。
まとめ|中学英語を伸ばすためにも国語力を大切に

今回お伝えしたかったことは、
「英語ができるようになるには、英語だけ勉強すればいいとは限らない」
ということです。
もちろん、英単語や英文法の学習は必要です。
しかし、英語の文章を正確に読み、文の構造を理解し、日本語から英文を組み立てるためには、文章を読み取る力も必要になります。
特に、
・語句整序問題
・英作文
・現在分詞
・過去分詞
・関係代名詞
・英文読解
などでつまずいている場合には、一度、
「この子は日本語の文章を正確に読めているだろうか?」
と考えてみてください。
国語力は、国語だけのための力ではありません。
中学・高校、そしてその先の学習を支える、重要な土台なのです。
啓理学舎では、こうした「国語の力」を大切にしながら、お子さん一人ひとりの文章の読み方を丁寧に見ていきます。
「国語が苦手」
「文章を読むのが苦手」
「英語も最近分からなくなってきた」
というお子さんは、ぜひ一度、国語の学習方法そのものを見直してみてください。


