鉄欠乏の症状
鉄のサプリをのんでいて、逆に体調が悪くなっていませんか?
鉄欠乏は貧血をはじめとするたくさんの病気の原因になりますが、取り過ぎも問題になります。鉄は過剰な状態では細胞毒性をもち、DNAを損傷したり、最終的には発癌を誘導するのです。
細胞内が鉄過剰になってくると不安定鉄プール(LIP)という自由鉄分画が増加します。LIPの主体はクエン酸等と結合している遊離の3価鉄なのですが一部は2価鉄となり、酸素の存在下でFenton(フェントン)反応等によって強力なフリーラジカルであるヒドロキシラジカルを産生します。これが蛋白質、脂質、DNAと反応して細胞障害をもたらし、肝線維化、発癌に関与するのです。
過剰な鉄の貯留を防ぐためにもフェリチンは300ng/mLまでに抑えるようにしましょう。そのために鉄剤や鉄のサプリメントを摂取しているときは定期的(半年ごとくらい)に血液検査をうけるようにしましょう。
【鉄代謝の臨床 鉄欠乏と鉄過剰 診断と治療の進歩】
最近の話題 鉄と発癌
日本内科学会雑誌(0021-5384)99巻6号 Page1277-1281(2010.06)