花粉症とビタミンD
日本では生卵を食べることは一般的ですが、海外では必ず加熱して食べます。この違いはなぜでしょうか。最も重要な原因はサルモネラ菌(Salmonella Enteritidis)感染症のリスクの違いです。
新鮮でも安心できない?
生卵の食中毒として問題となるのはサルモネラ属の細菌の一種(Salmonella Enteritidis)です。汚染される経路としては卵殻表面に付着した糞便等に存在する菌が卵内部に侵入する場合(on egg汚染)と、菌に感染している鶏の卵巣や卵管にいる菌が卵の形成過程で内部に取り込まれる場合(in egg汚染)の2通りとされています。つまり、新鮮な卵でも割れたものや、割って時間が経過した状態では殻についていた菌が増殖する可能性があるのです。
売られている卵は殺菌済
通常の流通過程では、パックに詰められる前に卵殻の洗浄・殺菌(卵殻表面に付着した汚れを次亜塩素酸ナトリウム溶液などで消毒・洗卵)が実施されているのでon egg汚染は除去されます。それに対してin egg汚染は、卵内部の汚染なので洗浄・殺菌しても取り除かれません(鶏が感染しないようにしたり、飼育方法の工夫がされています)。
汚染の確率は0.0029%
それでは、in egg汚染によって生卵は危険なのでしょうか?食品安全委員会の食品健康影響評価技術研究で実施された研究では、全国から集めた約10万個の卵でサルモネラ菌に汚染されていたのは3検体であり、これとは別に2万個の卵からSalmonella Enteritidisが検出されなかったとのデータもあわせて汚染の確率を0.0029%程度と推定しています。
保管や調理方法が重要
菌に汚染された卵の殻を割ってから食べるまでに時間があると、菌数が増加することが知られています。卵は割ったらすぐに食べましょう。しっかり温度管理している店から買い、購入後は冷蔵庫に保管することが重要です。
これからの季節は細菌性食中毒が増える時期です。卵は栄養豊富ですので、注意してしっかり食べましょう。
卵の栄養についてはこちら
https://mbp-japan.com/kagoshima/aitokukai/column/5106215/
内閣府食品安全委員会事務局webサイトより