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上村徳郎(うえむらとくろう) / 内科・腎臓内科医

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コラム

メタボとビタミンD

2022年3月7日

テーマ:メタボリックシンドローム

コラムカテゴリ:美容・健康

コラムキーワード: ダイエット 食事糖尿病 予防糖尿病 食事

近年問題となっているメタボリックシンドロームですが、ビタミンDによる改善効果が報告されています。

ビタミンDとは

ビタミンDはビタミンD2とビタミンD3に分けられ、ビタミンD2は植物に、ビタミンD3は動物に多く含まれており食事として摂取されます。また、ヒトを含め動物は日光による紫外線照射により皮膚でビタミンD3を生合成(内因性ビタミンD)しています。
ビタミンD3はミネラルの代謝や制御を司る重要なホルモンですが、最近の基礎研究やコホート研究からビタミンD3は糖・脂質の代謝や制御にも関与することが明らかになりつつあり、糖尿病やメタボリックシンドロームとの関係性が注目されています。

糖とビタミンD

糖代謝の中心的な役割を担うインスリンへのビタミンD3の関与を示す多くの報告があります。

・ビタミンD欠乏下ではインスリン分泌量は低下する。
・ビタミンD3はインスリン分泌と膵β細胞の機能維持に関与しており、糖代謝制御に重要な役割を果たす。
・ビタミンD不足の被験者に6カ月間ビタミンD(2000U/日)を投与するとインスリン分泌量が増加する。

脂肪とビタミンD

高脂肪食で飼育した肥満マウスや肥満ラットに1,25-(OH)2ビタミンD 3を投与すると(肝臓においてde novo脂質合成が低下し、β酸化が亢進し)肝臓での脂質蓄積が抑制されることが報告されています。

・肥満者では血中25-OHビタミンD3が低下している。
・25-OHビタミンD濃度が20ng/mL以下(ビタミンD不足と診断される)ではメタボリックシンドロームの発症リスクが高まる。
・内臓脂肪型肥満の患者は他のメタボリックシンドローム関連因子の保有率が有意に高く、血中25-OHビタミンD濃度が有意に低値である。

メタボを指摘されている方、肥満が気になる方はビタミンDの摂取を心がけてみてはいかがでしょうか。

【老化、加齢疾患研究を俯瞰し、健康長寿社会実現の夢を開く】
臨床に役立つQ&A ビタミンDと加齢性疾患の関連について教えてください
Geriatric Medicine (0387-1088)59巻7号 Page707-710(2021.07)

2型糖尿病男性患者におけるビタミンD栄養状態と内臓脂肪蓄積の関連
(The Relationship between Vitamin D Status and Visceral Fat Accumulation in Males with Type 2 Diabetes)
Journal of Nutritional Science and Vitaminology (0301-4800)66巻5号 Page396-401(2020.10)

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