砂糖とラカント
糖尿病について
糖尿病は膵臓から分泌されるインスリンが減少したり、または相対的に不足しておこる病気です。「相対的に不足」というのは、インスリンが分泌されているのに効果を発揮できていない状態のことです。これは筋肉などで血糖を利用しにくくなっているということであり、「インスリン抵抗性」と呼ばれます。
インスリン抵抗性の原因
インスリン抵抗性が引き起こされる原因として、一般には脂肪摂取量の増加と運動不足による肥満、ストレス、感染症、ステロイド等の薬剤、加齢等も知られていますが、受動喫煙や睡眠障害もインスリン抵抗性の原因となり、糖尿病の発症リスクを高めることが知られています。
2型糖尿病の新たな発症要因
戦後に2型糖尿病の患者さんが増えた原因としては「肥満」がよくいわれます。しかし、明らかな肥満を認めない糖尿病患者さんや糖尿病予備軍の方が多数存在しており他にも原因がありそうです。そこで、元来食物繊維と共にマグネシウムの主な摂取源である穀物摂取量が激減した時期と糖尿病が増え始めた時期がほぼ一致する点に注目し、慢性的なマグネシウム摂取不足に基づくインスリン抵抗性が糖尿病発症要因のひとつであるという「マグネシウム仮説」が提唱されています。日本人は元々インスリンを分泌する力が弱いため、2型糖尿病を発症しやすいのです。
マグネシウム補充による介入研究
・酸化マグネシウムでコントロール不良な2型糖尿病の血糖が改善
・塩化マグネシウムがインスリン感受性と血糖を改善
・天然濃縮Mg液の補充によるインスリン抵抗性改善、降圧効果、高TG(中性脂肪)血症の改善
・塩化マグネシウムによるインスリン抵抗性の改善ならびに膵β細胞の分泌機能の改善
以上のさまざまな研究から、経口のマグネシウム補充は2型糖尿病予防に推奨されると結論付けられています。
また、マグネシウムは食物繊維摂取のマーカーでもあります。食物繊維は脂質と糖質の吸収を抑制することで抗肥満、抗脂質異常症の作用を発揮するのです。
糖尿病は食後の高血糖から始まります。マグネシウムの多い食物(繊維)をしっかり摂取して、よく運動し、よく寝て予防しましょう。
生活習慣病発症要因としてのマグネシウムの重要性
日本未病システム学会雑誌 (1347-5541)25巻2号 Page22-30(2019.08)