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透析患者さんとマグネシウム

上村徳郎

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テーマ:マグネシウム

マグネシウム(Mg)は下剤としても使用されることがあり、またMgは腎臓から排泄されます。そのため透析患者さんでは血清Mg濃度が高くなりやすいのですが、近年、血清Mg濃度が低い方が心血管死亡や大腿骨近位部骨折のリスクを上昇させることが報告されています。血清Mg濃度は低いよりも比較的高値の方が生命予後に有利ではないかと注目されているのです。

理由

慢性的なMg不足はインスリン抵抗性、糖・脂質代謝異常、酸化ストレス増大、慢性炎症進展、血管石灰化などを介して心血管病の発症、突然死を含む生命予後のリスクになることがわかっています。

目標値

透析患者さんの血清Mg値の目標値は、観察研究の成績から、2.6~4.5mg/dLと推定されますが、今後の大規模介入試験による検証が必要です。わたしは5mg/dLを超えないように注意しています。

マグネシウムは透析患者さんにも有効のようです。ただし、高マグネシウム血症には十分な注意が必要ですので主治医に御相談ください。

血液透析患者における血清マグネシウム濃度と栄養状態の関係
日本病態栄養学会誌 (1345-8167)23巻4号 Page277-283(2020.10)

(第1章)血液検査 マグネシウム(Mg)
透析ケア (1341-1489)2018冬季増刊 Page101-106(2018.12)

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専門家

上村徳郎(内科・腎臓内科医)

医療法人愛徳会 上村内科クリニック

内科・腎臓内科の治療を専門にさまざまな病気の要因となる生活習慣病の予防にも力を入れています。生活習慣病に関わる食生活や栄養の見直しを予防の基本とし、食事法などをアドバイス。テレビ番組などの医療監修も。

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