スマホと睡眠
眠れないと仕事も遊びもうまくいきません。睡眠導入剤を飲み始める前にやってみましょう。まずは睡眠習慣についての確認です。寝床に入る時刻、実際に寝つける時刻、夜間の覚醒回数、目が覚める時刻、寝床を出る時刻を確認しましょう。
寝床に入る時刻
早すぎる就床を避けて、寝床にいる時間を短縮させることは睡眠の改善につながります。また高齢者では生理的に夜間睡眠が短く分断化する傾向があり、寝床にいる時間が相対的に長すぎるために不眠の訴えを生じている場合があります。
⇒寝床に入る時間が早すぎないか確認しましょう。
入眠禁止ゾーン
普段寝つける時刻の2~3時間前は入眠禁止ゾーンとよばれており、最も寝つきにくい時間帯です。それに加えて睡眠薬の効果も得られにくいのです。不眠症患者のなかには、この時間帯に入眠しようとして寝つけないために睡眠薬を多剤服用しているケースもあります。
⇒寝ようとしている時間を確認しましょう。
日光を浴びる、運動する
午前中に光を浴びることは体内時計のリズムを保つことから、日中の運動習慣をつけることも有用です。ただし夜の運動は睡眠を妨げるので避けましょう。
⇒朝日を浴びましょう。昼間に運動しましょう。
昼寝
昼寝で睡眠を補おうとすると、昼寝をすることによって夜寝つく力(睡眠圧)を低下させてしまい、夜に眠れないという悪循環を生じます。とくに夕方以降の昼寝は影響が大きいことから、午後 3 時頃まで、30分以内にとどめましょう。
⇒昼寝は昼に30分まで。
寝酒
アルコールは入眠を促進する作用があるものの、睡眠の質を低下させ、中途覚醒や早朝覚醒を増やします。また飲酒量が増えていく懸念もあります。
⇒寝酒はやめましょう。
以上のことを確認して実践してみましょう。
Focus On プライマリケアでできる睡眠衛生指導と薬物療法のポイント
内科 (0022-1961)128巻6号 Page1266-1270(2021.12)