マイベストプロ鹿児島
上村徳郎

生活習慣病の予防と治療に取り組む内科・腎臓内科のプロ

上村徳郎(うえむらとくろう) / 内科・腎臓内科医

医療法人愛徳会 上村内科クリニック

お電話での
お問い合わせ
0993-22-5033

コラム

ダイエット 糖質制限 VS 脂肪制限

2022年1月1日

テーマ:ダイエット

コラムカテゴリ:美容・健康

コラムキーワード: ダイエット 食事

クリスマスからお正月と外食が増え、運動不足になる時期がやってきました。今回は、よく話題となる「糖質制限ダイエット」と「脂肪制限ダイエット」のどちらが有効かの考察です。
ダイエット

糖質制限ダイエットとは?

糖質制限といっても、糖質摂取を50g/日以下にする超糖質制限から、130~200g/日程度の穏やかな糖質制限まであります。ちなみに糖質は1gあたり4キロカロリーなので、1日2000キロカロリー摂取する人で50~60%を糖質で摂取すると250~300gとなります。

糖質制限で体重が減少する理由として「インスリン分泌抑制」がよくいわれます。
インスリンは脂肪分解を抑制して脂肪合成を促し、肝臓ではグリコーゲン分解と糖新生を抑制するホルモンです。結果として血糖値を下げる効果があります。糖質制限をすると血糖値が上がりにくくなるのでインスリンが分泌されず、脂肪分解が進むので効率的に減量効果が得られると考えられています。

ところが、この機序を完全に覆す報告がありました。
摂取エネルギーを等しく30%減らした糖質制限食と脂肪制限食の比較です(蛋白摂取量は両食事制限食間で等しくなるように設定)。
結果は、体脂肪量の減少は大きな差がなく、糖質制限食(-53g/日)が脂質制限食(-89g/日)より少ないというものでした。同じ食事療法を6ヵ月間継続した場合、脂質制限食のほうが糖質制限食より約3kg体脂肪の減量効果が得られると推計されたのです。

糖質制限食は食欲が低下する?

糖質制限食では自由に脂肪や蛋白を摂ることができ、摂取エネルギーを制限しません。しかし、実際に糖質制限をすると摂取エネルギー量が低下するという報告があります(DIRECT研究など)。つまり、食欲低下が糖質制限食の本質的なダイエット効果ではないかといわれています。その機序は明らかではありませんが、極端な糖質制限によるケトーシス、食欲調整ホルモンであるレプチンやグレリンの関与が考えられています。

糖質制限食の是非
高尿酸血症と痛風 (0919-5491)25巻1号 Page21-27(2017.03)

結局どちらか

短期的な体重減少では糖質制限も有効と考えられますが、糖質制限食で筋肉量が低下するという報告もあり、長期的には脂質制限の方がよいと私は考えています。
脂質は1gあたり9キロカロリーなので、1日2000キロカロリー摂取する人で25%を脂質で摂取すると脂質は55gとなります。制限するのでしたら、私見ですが1食あたり15gまででしょうか。これからは外食、コンビニでメニューを選ぶときには「脂質」をチェックするようにしましょう。「心がける」だけでもけっこう違うものです。もちろん、過剰なダイエットにならないように注意しましょう。

この記事を書いたプロ

上村徳郎

生活習慣病の予防と治療に取り組む内科・腎臓内科のプロ

上村徳郎(医療法人愛徳会 上村内科クリニック)

Share

関連するコラム

上村徳郎プロへの
お問い合わせ

マイベストプロを見た
と言うとスムーズです

お電話での
お問い合わせ
0993-22-5033

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

上村徳郎

医療法人愛徳会 上村内科クリニック

担当上村徳郎(うえむらとくろう)

地図・アクセス

上村徳郎プロのコンテンツ

  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ鹿児島
  3. 鹿児島の医療・病院
  4. 鹿児島の内科
  5. 上村徳郎
  6. コラム一覧
  7. ダイエット 糖質制限 VS 脂肪制限

© My Best Pro