【WLBコラム】学習効率を上げるために必要な2つのマネジメントとは?
WLBコラムをご覧いただき、誠にありがとうございます。
働き方改革をサポートするタイムマネジメントコーチの山本武史です。
よく、こどもの教育で
「たくさん褒めましょう」
「きちんと叱りましょう」
といった間違った教育方法を教えている方がいますが、
これ、絶対にやめたほうが良いです。
提唱している人はおそらく人の心理を知らないか、
もしくは、意図的に
他人をコントロールしようとしているのではないかと思います。
今、すぐにやめましょう!
とても危険ですので。
それと同じく『自己肯定感』という言葉がよく使われていますが、
誤った認識のまま自己肯定感を育む努力をするならば、
これも危険です。
なぜなら、『自己肯定』という言葉には様々な意味合いが混在しており、
その意味が曖昧なまま、「なんとなく良さそうな言葉」となっているからです。
例えば
「やればできるという自信」だったり、
「前向きになれる心構え」のような感覚で。
しかし、本来の自己肯定感とは、
【自分の価値を自分で認めること】であり、
「やればできる」という自信過剰な
誤った自己認識を持った状態ではありません。
また、自己肯定感は、下記のような言葉と同じように使われます。
・自尊感情:他人ではなく自分で自分に有用性と価値を感じること
・自己効力感:自分には上手くやれる可能性があると思うこと
・自己有用感:自分は周りに対して有用な存在であると感じること
これらも本質的には『本来の自己肯定感』と同じで、
「どんな自分であっても価値はある」と思えることであり、
(例えば、親のすべての期待に応えられる100点満点の自分でなくてもOKって感覚)
また大切なのは、
「自分が行った結果を通じて、自分自身で感じること」
です。
他人から言われたことを鵜呑みにするのとは違います。
あくまで自分で感じる必要があるのです。
ここを勘違いして
褒めることで「あなたは有用ですよ」と言ってしまうと、
逆に自己肯定感を下げてしまうことになります。
なぜか?
例えば、あなたも自分と同等の存在、
あるいは明らかに自分より下の存在から
「よくできました!」
とか
「上手!上手!」
と褒められたらどんな気持ちになるでしょうか?
どこか見下されているような感覚になったり、
バカにされているような感覚になったりしませんか?
そうなのです。
「褒める」には
「上位者が下位者に下す評価」という
意味合いが含まれるからです。
逆に、自分が尊敬している人から褒められると
うれしくなりませんか?
この「うれしさ」は気持ちの良いものですが、
その反面、
「自分にはかなわない上位者いる」ってことを
暗に認めてしまっていることになります。
つまり、「褒めた人が上、自分は下」という
構図を書き上げてしまうのです。
そうすると、
次第に今度は上の人に喜んでもらおう、
そして自分をもっとほめてもらい「うれしさ」を味わおう、
と考え始めます。
その結果・・・、
行動の目的が「ほめられること」に移り変わっていきます。
もう少しエスカレートすると、
「ほめられるからやる」
「ほめられなければやらない」
という『依存』の状態に陥ってしまいます。
僕たちは『自立』に向けて成長しなければいけないのに、
その真逆に舵を切ってしまうのです。
ほめることの恐ろしさは、ここにあります。
じゃ、自己肯定感を育む方法はないのでしょうか?
いえ、もちろんあります。
正しい方法が。
それは、相手の価値に対して感謝することです。
「ありがとう」
とか
「助かったよ」
という感謝の言葉や気持ちをそのまま伝えるのです。
あ、そうそう「相手の価値に感謝」というと、
例えば、一見悪戯ばかりしかしていないような悪ガキや
病気やケガなどで仕事ができない人などに対しては
どう感謝していいかわからないって方もいます。
が、それは『人の価値』をあまりに限定的にしか
捉えていない残念な状態です。
僕たちは、ただそこにいるだけで、
誰かしらに何らかの価値を提供しています。
例えば、僕の父親は10年前にガンで亡くなりましたが、
終末期は病床につき、仕事もできず、介助なしでの生活もできませんでしたが、
ただ、生きてくれているだけで僕たち家族によろこびをもたらしてくれていました。
また、うちには4人のこどもがいますが、
そのうちの下の二人(双子)は
1つの胎盤を二人で分け合う形でしたので、
無事に生まれてくることができるかどうか心配でした。
だから、今この世に存在してくれているだけで
本当にありがたいのです。
また人の価値には
・創造価値:何かを生み出すことによるよろこび
・体験価値:美しい景色を見て感じるなどのよろこび
・態度価値:自分の態度で他者によろこびを与えるよろこび
という3つの価値があり、
これらを相手が自分自身で感じることができるよう
相手の行動や言動に対してフィードバックすることが重要です。
これは「ほめる」という上から目線ではできません。
人として対等な関係を築いた上で
大切に伝えて欲しいメッセージです。
もちろん、相手が素直に受け取ってくれるかどうかは
相手の課題であり、こちらではコントロールできませんので、
その辺はきちんと線引きしてくださいね。
さて、今日は長くなりましたが、
ほめることの害悪と、
正しく自己肯定感を育む方法について
お伝えしてきました。
これを親子関係に特化して、
特に僕たち『親がどうあるべきか』を、
二つの心理学をベースにお伝えする講座を開催します。
ご興味のある方は下記のリンクをご覧ください↓
第2期【心理学に基づく子育て講座〜心の器のひろげかた〜】
では、今日はこの辺りで失礼します。