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上野峰喜

環境に優しい電解水や食品資源リサイクル機器のプロ

上野峰喜(うえのみねき)

株式会社金沢テックサービス

コラム

銀座交差点に立ち続けた托鉢僧、コロナに倒れる

2021年3月18日

テーマ:新型コロナウイルス

コラムカテゴリ:くらし

日本のど真ん中ともいえる、銀座・和光前の交差点に立ち続け、托鉢修行を

続けていた僧侶が、新型コロナに感染し1月18日に帰らぬ人となった。

亡くなったのは真言宗の僧侶、望月崇英さん、まだ66歳の若さだった。

望月さんは、学卒後米国に渡りミュージシャンを志していた。

40代半ばで帰国し、高野山で修行し僧籍を得て仏門の世界に入り

銀座・和光前の交差点で托鉢修行を始めた。始めてから半年後に、あの「3.11」が起きる。



            

10年前の東日本大震災で、望月さんの環境は大きく変わる。

大震災発生直後から各被災地に入り、多くの遺体が弔いもなく埋葬される様子に

心を痛め、亡骸に白菊を手向け、鎮魂の祈りをささげた。

暫くは毎週、毎月ごとに被災地に入り弔いを続けていた。

そして、銀座交差点での托鉢修行も続ける・・・

しかし、昨年暮れに体調不良を訴え救急車で運ばれたが、

結果は新型コロナの感染であった。最後の托鉢は年迫る12月26日だった。

数年前筆者は東京に出向いた際に托鉢中の望月さんと、お話をしたことがある。

「托鉢は死ぬまで続ける」と話していた望月さんの凛とした立姿は、

昨日のように思える。

いま、望月さんが立ち続けた場所には、彼を慕う人たちが花を手向けてあった。



           

新型コロナは突然、人間を非情に追い込むことを決して忘れてはいけない。

望月崇英さんの「死」を無駄にしないためにも・・・

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