「透明」に色付く現代社会
もともと舟橋村には、村役場の図書室しかなかった。
蔵書も貧弱なもので、週末のみの開館という不便さが、形だけの図書室となった。
一方で、越中舟橋駅が老朽化し乗降客が激減、停車する電車本数が減らされ
駅も無人化になるという危機に直面していた。
そこで、人が集まらない「図書室」と「駅」を合体させる発想の転換が生まれる。
「パーク&ライド方式」で、駅と図書館の複合施設を全国で初めて建設する。
次にソフト面の充実を図り、「日本一子供に優しい図書館」を目ざし、村長、副村長、
教育長、村職員が「役場おはなし隊」を結成し、定期的に読み聞かせを行う。
読み聞かせをしている村長
いまでは、職員全員が、図書館を訪れる子供の顔と名前を覚えるまでになった。
当然、人が集まるところに「人や情報」は自然と集まってくる。
村民がボランティアで活けた花が飾られ、持ち寄った野菜が並べられ自由に持ち帰る
こともできるようになっている。
いまでは、この図書館の主役は「村民」でる。
図書館の利用登録は約18,000人、村以外の利用登録が15,000人で、いかに居心地の
良い図書館であるかもわかる。
この「日本一小さな村は、日本一輝いている村」であることは、確かのようである。