なるほど、なるほど
上記の写真は、107年前の明治43年(1910年)に発行された金澤市の地図を特殊加工し「小銭入れ」として再生されたものです。
この古地図は歴史的には価値があると思いますが、いまの時代には地図本来の機能は全く果たせません。
スマホ、PC、自動車等のナビを通して、瞬時にして目的地を探し出し経路まで案内してくれるとっても便利な時代となり、「紙としての地図」は時代の片隅に追いやられました。
仮に残っていても、100年以上の経過による破損や地図そのものの価値が薄れ、廃棄処分が進んでいるとのことです。
逆に言えば、貴重な過去を知る資料の存在になっています。
そこで、ある芸術家が再利用可能な部分を活かしアート的な「小銭入れ」として再生したものです。
残念ながら筆者のような凡人には、なかなかそのような発想は生まれません。
この古地図で出来た小銭入れをよく見ると、町名は旧加賀藩の名残を著しており、備中町、豊國町、五番町、徒歩町、観音町 等々その後消えてしまった町名を読み取ることができます。
今は観光客で賑あっている東茶屋街も、(東廓)とカッコ書きで表示されているのみです。
ちょっとした発想の転換で、廃棄されそうな物も価値ある物へと生まれ変わります。そして、大切に使われるでしょう。
この古地図小銭入れについては、「たかが地図、されど地図」と言ったところでしょうか?