大富豪が、ばらまく二酸化炭素
このコラムで何度も掲載いたしましたが、いま先進国で大きな問題となっている「食べられるのに捨てられる食品」、いわゆる「フードロス問題」についていま一度コメントをしたいと思います。
全世界で年間約13億トンの「フードロス」があると言われています。日本においては約630万トンに達しているようで、国民一人当たり毎日おにぎり2個分の食べられる食品を廃棄しています。
国内では、この630万トンのフードロスのうち肥料、家畜のエサ等にリサイクルされているのは、約30%。言いかえれば70%が再利用されずに、ほとんどが燃えるごみとして焼却されています。
1トンのごみを焼却して処理するには、約8万円前後のコストがかかると調査結果も出ています。そのコストの1/2くらいは我々の税金で賄われているようです。
現行の食品リサイクル法では、年間100トン以上の廃棄食品を排出する事業者以外には罰則規定がないため、小規模事業者の多くはその義務を充分に果たしていないと言えるでしょう。
先日の「恵方巻き」の件でも、コンビニのスタッフに対し過剰なノルマを課し社会的問題となりました。
「恵方巻き」を製造する工場も納期に間に合わない場合や欠品が発生すると、大きなペナルティー料金がかせられるため、多少の廃棄量が発生することも判りながら廃棄問題よりペナルティー対策が優先する姿勢となり、それが年々慢性化として進んでいます。
その後の処理に我々の大切な血税が投入されていることは、どこかに置き忘れられていますね。
私ども商談の中でも、「生ごみ処理機を導入し手間をかけるより、行政が回収する焼却ごみとして排出する方が便利で簡単・・」と発言される方がいらっしゃいます。
この日本流? とも言える考え方も、そろそろ抜本的に見直す時期が来ているのではないでしょうか?