大富豪が、ばらまく二酸化炭素
8月1日付のこのコラム「星空保護区」では、日本人のライフスタイルの変化により「日本国内では、晴れた日に夜空を見上げても70%近くの人が天の川を綺麗に見ることが出来ない・・」と述べました。
私見ですが、絶滅危惧施設 ? と言える「銭湯」について、今回は記載したいと思います。
銭湯の歴史は古く、日本に仏教伝来した時、僧侶達が身を清めるために、寺院に浴堂が造られたことが始まりのようで、病を退けて福を招来するものとして入浴が奨励され、貧しい人や病人達を対象としての施欲も積極的に行ったとのことです。
高度経済成長時代の1965年(昭和40年)には、全国で約2万2000軒あった銭湯が、現在は約2800軒に残すのみとなっているそうです。
我が国では持ち家率が増え、自宅に風呂を持つようになってから、「銭湯」の数は激減の一途をたどります。そのため銭湯の経営が厳しくなり、経営者の高齢化、後継者不足 等の複合的な事由も重なり、さらに廃業へと追い込まれてきました。
現在石川県では「52軒」の銭湯が営業をしていますが、穴水町、中能登町、宝達志水町、かほく市、内灘町、川北町、加賀市の2市5町では、すでに銭湯は消え「銭湯絶滅地区」となっています。
ご参考までに「石川県銭湯マップ」を添付いたします。
入浴料金は今でも物価統制令の規定で、各都道府県知事の決定で上限が定められています。
この物価統制令は、現憲法発布前に出された勅令で法律としての効力は今もあるそうです。
言いかえれば、銭湯入浴料金の法的根拠は、現憲法より古い歴史があるということになります。
大人料金では、石川県は440円、富山県420円、福井県430円です。
ちなみに長崎県と宮崎県が350円で一番低く、神奈川県が470円で一番高い料金となっています。
日本人のライフスタイルの変化により、また日本独特の文化が消えていくのは避けられないのでしょうか?
富士山のペンキ絵、風呂上がりに腰に手をあてて飲む牛乳、ゆっくりと足をのばせる湯船・・・等々の体感できる身近な場所が少なってきています。
そう言えば、夏の季語でもある「行水」も、ここ久しく耳にしていませんね。