大富豪が、ばらまく二酸化炭素
今回は7月15日付のコラム「ごみが足りない ! その1」の、続きを掲載したいと思います。
7月2日に開催された石川県立大学・生物資源工学研究所シンポジウムの講演内容も参考にさせていただきました。
ほとんどの地域で「ごみの分別化」の取り組みが進んだ結果として、一般家庭から排出される可燃ごみに占める「生ごみ」の比率が、逆に増加傾向にあり重量ベースで平均約30%、多い地域では50%を超えるところもあるそうです。
この「生ごみ」の発生抑制、資源化への取り組みが進めば、家庭ごみの相当部分が削減できることになりますが、環境省、農林水産省の各発表では、家庭の生ごみの資源化率は残念ながら5~6%に過ぎないそうです。
その多くは焼却として処分されています。
生ごみの再資源化、特に堆肥化を先進的に取り組み評価を得ているのは、単に生ゴミを処理するだけでなく、再資源化を通じて、その地域の農業の再生に寄与しているからといえます。
この先進的取り組みの例として、このコラムでも、福光ワースフル社さん(南砺市)、金沢市熊走町地区(金沢市)、白山市立美川小学校さん(白山市)を、具体的に取り上げさせていただきました。
そのコラムは以下の通りです。
4月20日付 「生ごみ処理から地域貢献へ」
5月 6日付 「生ごみは、地域の宝物 !」
6月 7日付 「もうすぐ、あの花が咲く季節です」
7月 8日付 「陰で支えるに徹する」
(まだ、お読みでないようでしたら、ぜひお読み下さい)
いずれのコラムも多くの読者の方々より、数多くの「よかった!」をいただいており、生ごみ問題に対する関心の高さがうかがえます。
上述の地域に密着した「小さな循環システム」が、各地に広がっていけば、前回号で述べたように、焼却施設の維持や更新の為に、「ごみが足りない」という事態を回避できるかもしれません。
生ごみも「地産地消」の時代に入って来たのかもしれません。
日本人の生真面目さから、ごみの分別化習慣が当然となったように、その地域に密着した「生ごみの資源化」が、当たり前となることはそう遠くないような気がします。それには、その地域にあった知恵と創意を発信し、たとえ小さくとも、まずは第一歩を踏み出すことが必要だと思います。
次回は、このシリーズの最終号として、2022年以降の能登地区のごみ問題について、記載したいと考えております。